【プレビュー】「ふつう」の日本画を楽しもう――『春の江戸絵画まつり  ふつうの系譜 「奇想」があるなら「ふつう」もありますー京の絵画と敦賀コレクション』 府中市美術館で3月12日開幕

土佐光起《伊勢図》(部分) 一幅、絹本着色 江戸時代前期(17世紀後半) 敦賀市立博物館蔵

春の江戸絵画まつり  ふつうの系譜 「奇想」があるなら「ふつう」もありますー京の絵画と敦賀コレクション
会場:府中市美術館(東京都府中市浅間町1-3)
会期:2022年3月12日(土)~5月8日(日)
【前期】3月12日~4月10日、【後期】4月12日~5月8日
休館日:月曜日休館。ただし、3月21日、5月2日は開館し、3月22日が休館。
アクセス:京王線府中駅バスターミナル7番乗り場から、多磨町行きの「ちゅうバス」に乗り、「府中市美術館」で下車。京王線東府中駅からは府中駅行きの「ちゅうバス」に乗り、「府中市美術館」で下車。東府中駅からは徒歩約17分。
入館料:一般700円、高校生・大学生350円、小、中学生150円
※詳しい情報は、美術館HP(https://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/)で確認を

伊藤若冲、曽我蕭白、歌川国芳……「日本画」の美術展で現在人気を集めているのは、かつて辻惟雄氏の著書『奇想の系譜』で取り上げられた「奇想の画家」たちが中心だ。だが、本来「奇想」とは「ふつう」があってこそ成立するもの。日本美術において「ふつう」とは何なのか。敦賀市立博物館のコレクションから選りすぐりの作品を展示する今回の展覧会では、「日本美術」の正統である「ふつう」の系譜を紹介する。

狩野雅信《菊花図》(双福左) 二幅、絹本着色 江戸時代後期(19世紀) 敦賀市立博物館蔵

「やまと絵」「狩野派」「円山四条派」……。江戸時代の美術界のメインストリームでは、どんな作品が創造されていたのか。豊かな歴史と美の手法が生きている「きれいなものづくり」の系譜。ただただ美しい、それらの作品にも「奇想」に負けない「驚き」がある。「ふつう」の魅力を知れば、「奇想」の輝きも増し、日本の美術史も、もっと広く深く見えることだろう。

松村景文《月・山桜小禽・山茶花鴛鴦図》 三幅、絹本着色 天保8(1837)年 敦賀市立博物館蔵

これは「奇想」? それとも「ふつう」? ちょっと迷ってしまうような作品も展示される。一見「ふつう」のキレイな絵も、ただそれだけではないことがあるのだ。時代によって移り変わる「ふつう」と「奇想」の感覚。そんなところにも眼を向けながら、江戸絵画の「ふつう」とは何かを改めて考える。

岸駒《猛虎図》(部分) 一幅、絹本墨画 江戸時代中期(18世紀後半) 敦賀市立博物館蔵

「春の江戸絵画まつり」で取り上げ続けてきた江戸時代の動物絵画。かわいい動物たちの絵は、いつから「ふつう」になった。動物絵画における「ふつう」についても考える。会期中、4月10日には「ふつうの系譜」の歴史と魅力に関する講座と対談イベントを開催予定。子供向けイベントの「ふつう探検隊!」も随時、行われることになっている。

円山応挙《狗子図》 一幅、絹本淡彩 安永7(1778)年 敦賀市立博物館蔵

(読売新聞美術展ナビ編集班)

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