【プレビュー】浮世絵と新版画で観る日本の風景――「旅路の風景─北斎、広重、吉田博、川瀬巴水─」展 東京富士美術館で4月2日開幕

「旅路の風景─北斎、広重、吉田博、川瀬巴水─」
会場:東京富士美術館(東京都八王子市谷野町492-1)
会期:2022年4月2日(土)~6月5日(日)
休館日:月曜日、月曜が祝日の場合は開館し、翌火曜日が振替休館
アクセス:JR中央線八王子駅からバス(創価大正門東京富士美術館行きか創価大学循環)に乗り、創価大正門東京富士美術館のバス停で下車、京王八王子駅からも同様のバスで行ける
入館料:大人1000円、高校生・大学生600円、小中学生300円、未就学児無料。
※詳細情報は同館HP(https://www.fujibi.or.jp/)で確認を

春、夏、秋、冬。季節に従って、それぞれに異なった味わいを見せる日本の自然や街並み。四季折々の風景は、古くから様々な美術作品の題材となってきた。江戸時代の浮世絵、明治から昭和にかけての新版画。東京富士美術館の所蔵品をセレクトしたこの展覧会では、二つの時代の木版画に焦点を当て、「江戸の風景」と「近代の風景」を描いた作品を紹介する。

葛飾北斎《冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏》天保1-3年(1830-32)頃 東京富士美術館蔵

「江戸の風景」で取り上げられるのは、葛飾北斎(17601849)と歌川広重(17971858)。日本人の心のふるさと、富士山を望む各地の風景を描いた《冨嶽三十六景》、江戸と京都を結ぶ東海道の宿場町をユーモラスに描いた《東海道五十三次》は、それぞれ北斎、広重の代表作だ。今回の展覧会では、《冨嶽三十六景》全46図、《東海道五十三次》全55図を展示。江戸時代の旅の様子や自然と共生する人々の姿を紹介する。

歌川広重《東海道五十三次之内 庄野 白雨》天保4-5年(1833-34) 東京富士美術館蔵

「近代の風景」に登場するのは、吉田博(18761950)と川瀬巴水(18831957)。洋画家として活躍していた吉田は新版画の版元だった渡辺庄三郎と出会った後、木版画に取り組むようになり、西洋の写実的表現と日本の伝統的な木版技術を融合した新しい木版画を生み出した。鏑木清方に師事し、日本画家として画業を始めた巴水は大正年間に版画家に転向、風景版画の名手として有名になった。ともに何十回も重ね摺りした緻密な色調で、自然や日常を切り取った「新版画」の代表的な作家。吉田、巴水ともに約30点の作品が展示される。

吉田博《瀬戸内海集 帆船 朝》大正15年(1926) 東京富士美術館蔵

コロナ禍で自由な旅も難しい昨今。4人の卓越した作家たちが描き出した美しい風景や人々の営みに触れる事で、時間と空間を超えた「旅路」を追体験できるのでは。どんな風景が作家たちの琴線に触れたのか、その風景を作家たちはどう描いたのか。旅の魅力や楽しみを改めて考えさせられる展覧会になりそうだ。(美術展ナビ取材班)

川瀬巴水《馬込の月》昭和5年(1930) 東京富士美術館蔵

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