【開幕】作家の内面を体感する 「心の中の詩」展 草間彌生美術館

草間彌生《残夢》1949年 《赤い地平線》1980年

前衛芸術家・草間彌生が設立し、その作品コレクションを独自の切り口の展覧会で紹介する草間彌生美術館(東京都新宿区)。内から湧き上がるイメージや想像力に着目した展覧会「心の中の詩」が開幕した。

草間彌生《LIFE (REPETITIVE VISION)》1998年 「わが永遠の魂」シリーズ(2009年~)

草間は、幼少期の幻覚体験を出発点として、個人的な体験を創作の源泉としており、作品をつくることは「もっぱら自分の内面の問題」であると語っている。とくに1950年代前半の作品は、水彩のほか、グワッシュ、パステル、インク、鉛筆など様々なスタイルで制作されたドローイング作品が多い。本展では、なかでも数少ない日本画作品である《残夢》がひときわ目を引く。

草間彌生《残夢》1949年 《赤い地平線》1980年

生家が所有する採取場の記憶をもとに描かれたとされる初期の大作で、インパクトの強い植物と蝶は写実的に描かれ、真紅の荒野と青空の対比がドラマチックに映える。展示室では、立体作品《赤い地平線》をあわせて展示し、絵画から続く地平線のその先のような感覚にもなる、創造力が膨らむ空間となっている。

草間彌生《無題(フライ返し)》1968年頃 《無題(靴)》1968年頃 《無題(バニティケース)》1968年頃 《無題(靴)》1968年頃
草間彌生《命》2015年
《I’m Here,but Nothing》2000年/2022年

さらに、最新の絵画シリーズ「わが永遠の魂」や、インスタレーション作品《I’m Here, but Nothing》なども楽しめる。2000年代以降、草間が積極的に取り組んでいる部屋全体を用いたインスタレーション作品である《I’m Here, but Nothing》は、彼女自身の幻覚体験をもとに着想されている。ブラックライトで蛍光色に発光する無数の水玉に覆いつくされた部屋……そのなかで、まさに心の中と対話するような体験ができるだろう。
本展は、日時指定の事前予約・定員制。8月28日まで。

【開催概要】

展覧会名:心の中の詩

会期:2022年3月3日(木)~8月28日(日)

会場:草間彌生美術館(東京都新宿区弁天町、東京メトロ東西線「早稲田駅」から徒歩約7分、都営地下鉄大江戸線「牛込柳町駅」から徒歩約6分)

開館日:木・金・土・日曜日および国民の祝日

休館日:月・火・水曜日

開館時間:11時~17時30分

観覧料:一般1100円(税込)、小中高生600円(税込)

入場は日時指定の事前予約・定員制。チケットは美術館公式サイトのみで販売、美術館窓口での販売はなし。詳しくは草間彌生美術館のホームーページ(https://yayoikusamamuseum.jp/)へ。

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