【開幕】美と生と死の世界に没入 国内初の大規模個展「ダミアン・ハースト 桜」 国立新美術館で5月23日まで

イギリス現代アートの代表的存在、ダミアン・ハースト(1965~)の日本国内初の大規模個展です。最新作の<桜>シリーズを紹介する注目の展覧会です。

「ダミアン・ハースト 桜」
会場:国立新美術館 企画展示室2E
会期:2022年3月2日(水)~5月23日(月)
休館日:毎週火曜日(※ただし5月3日(火・祝)は開館)
アクセス:東京・六本木、東京メトロ日比谷線・都営地下鉄大江戸線「六本木」駅、東京メトロ千代田線「乃木坂」駅下車
詳しくはhttps://www.nact.jp/exhibition_special/2022/damienhirst/

開幕前日の内覧会を取材しました

とにかく巨大で、華やかで、生命力にあふれ、そして儚げ。日本人の持つ「桜」のイメージにもよく合致する魅惑的な作品群。お子さんたちにこそ見せたい。大喜びしそう(してた(^^))。あす2日から国立新美術館(東京・六本木)で始まる「ダミアン・ハースト 桜」展の内覧会です。

子どもさんも「楽しい!」と大喜びだったダミアン・ハースト展の内覧会

イギリス現代アートを代表するダミアン・ハースト(1965~)の国内初の大規模個展。最新作の〈桜〉シリーズ107点から作家が選んだ24点を紹介します。最も大きな「この桜より大きな愛はない」(2019年)は549㌢×732㌢。ダイナミックです。

<この桜より大きな愛はない> 2019年 個人蔵

近づいてみると実に様々な色が塗り重ねられた結果、「桜らしさ」が感じられることが分かります。ポスト印象派やアクション・ペインティングの技法が使われていると。このあたりも見飽きません。


ダミアン・ハーストは「〈桜〉シリーズは、美と生と死についての作品なんだ。それらは極端で、どこか野暮ったい。」と語っています。この戦乱と感染症の時代に相応しく、「死」の影を帯びつつ、閉塞した感情を解き放ってくれる力強さにワクワクもします。

<素晴らしい世界の桜> 2018年 個人蔵
大型の作品が並ぶ展示室は壮観だ
<神の桜> 2018年 個人蔵

この時代、この季節の日本に、これほど似つかわしい展覧会はなかなかないでしょう。最新の現代アート、と言っても決して小難しいものではありません。写真もOK。「映え」ますのでそういう楽しみ方もいいですね(^^)

「ダミアン・ハースト 桜」展は国立新美術館(六本木)で5月23日(月)まで。確かに「美と生と死」を体感できる展覧会です。リアルのお花見と合わせるのもステキ。

(読売新聞美術展ナビ編集班 岡部匡志)

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