【開幕】「ゴッホ展 響きあう魂 ヘレーネとフィンセント」名古屋市美術館で4月10日まで 東京・福岡に続き最後の巡回

16年ぶりに来日したゴッホの 《夜のプロヴァンスの田舎道》 1890年5月12-15日頃 クレラー=ミュラー美術館

〈糸杉〉最後の傑作が16年ぶりに来日。フィンセント・ファン・ゴッホ(1853―1890)の初期の素描から南仏時代の油彩画まで計52点からその画業を紹介する「ゴッホ展 響きあう魂 ヘレーネとフィンセント」が2月23日(水)から名古屋市美術館で始まった。4月10日(日)まで。ゴッホに魅了された女性コレクター、ヘレーネ・クレラー=ミュラー(1869ー1939)にも焦点をあてた展示で、東京展、福岡展に続く最後の巡回先となる。

ゴッホ展 響きあう魂 ヘレーネとフィンセント
会場:名古屋市美術館(名古屋市中区栄2-17-25、白川公園内)
会期:2022年2月23日(水・祝)~4月10日(日)※日時指定予約制
休館日:3月7日(月)、3月28日(月)
開館時間:午前9時30分~午後5時、金曜日は午後8時まで(入場は閉館の30分前まで)
平日 一般 1,900円/ 高大生 1,300円
土日祝 一般 2,000円/ 高大生 1,400円
中学生以下は無料(日時指定予約不要)
問い合わせ先:展覧会について050-5542-8600 (9:00-20:00)
チケットについて050-5542-8600 (11:00-17:00)
展覧会公式サイトはこちら

開幕前日の内覧会を取材しました

フィンセント・ファン・ゴッホ 《夜のプロヴァンスの田舎道》 1890年5月12-15日頃 クレラー=ミュラー美術館

「ゴッホ展 響きあう魂 ヘレーネとフィンセント」が23日(水・祝)から名古屋市美術館で始まります。内覧会に伺いました。空に伸びていく〈糸杉〉に吸い込まれました。

初期から晩年まで画業がたどれる体系的コレクション

フィンセント・ファン・ゴッホ《籠に腰掛けて嘆く女》 1883年2-3月 クレラー=ミュラー美術館

印象派に出会う前のオランダ時代の素描家ゴッホの作品を複数鑑賞できることが、東京展や福岡展でも話題となりました。

ゴッホだけでない ヘレーネが愛した芸術家たち

【左】ジョルジュ・スーラ《ポール=アン=ベッサンの日曜日》1888年 【右】ポール・シニャック《ポルトリューの灯台、作品183》1888年 いずれもクレラー=ミュラー美術館
オディロン・ルドン 《キュクロプス》 1914年頃 クレラー=ミュラー美術館

東京展とは展示順が少し異なり、ゴッホの素描の次には、クレラー=ミュラー美術館収蔵のゴッホ以外の印象派や新印象派の優品があります。

フィンセント・ファン・ゴッホ 《青い花瓶の花》 1887年6月頃 クレラー=ミュラー美術館。パリ時代に描いた作品
フィンセント・ファン・ゴッホ 《黄色い家(通り)》 1888年9月 ファン・ゴッホ美術館。ゴーガンと2か月間、共に過ごしたことで知られるアルルの家

そして別の階に、パリ時代やアルル時代、サン=レミ時代などの色鮮やかなゴッホの世界が、「春らしい」明るさの会場で広がります。

フィンセント・ファン・ゴッホ 《悲しむ老人(「永遠の門にて」)》 1890年5月 クレラー=ミュラー美術館。結婚25周年のサプライズプレゼントしてこの作品を夫から贈られたヘレーネは「もし、世界一美しくて、大きくて、高価な真珠のネックレスをもらったとしても、私はこれほど幸せではなかったでしょう」という喜びの手紙を残したことが説明されている

こちらは、亡くなった年に描かれた《悲しむ老人(「永遠の門にて」)》。昨年、東京展の開幕直前に、オランダのファン・ゴッホ美術館がゴッホの「新作」として同じ構図のスケッチを発見したことを発表してニュースとなりました。

フィンセント・ファン・ゴッホ 《夜のプロヴァンスの田舎道》 1890年5月12-15日頃 クレラー=ミュラー美術館蔵

最後を飾るのが、《夜のプロヴァンスの田舎道》です。おそらくゴッホがプロヴァンスで描いた最後の作品とされています。この〈糸杉〉は「死の象徴」とも「強い生命力の象徴」とも言われています。ぜひ会場でお確かめください。

ショップには、東京展でも話題になった様々なコラボ商品がありました。

(読売新聞デジタルコンテンツ部 岡本公樹)

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