【開幕】新進作家の登竜門「FACE展2022」 個性あふれる作品揃い  SOMPO美術館

「FACE展2022」の表彰式後は、記念撮影も行われた

東京・西新宿のSOMPO美術館で2月19日、「FACE展2022」が開幕しました。「年齢・所属を問わない新進作家の登竜門」である同展は、2012年度から行われている公募展。1513名の申し込み、1142名の出品の中からグランプリに選ばれたのは、《Farewell》を出品した新藤杏子さんです。「表彰式ではとても緊張した」そうです。

東京都在住の新藤さんは39歳。多摩美大大学院を卒業して、作家活動をされています。パートナーは2013年に岡本太郎賞を受賞された加藤智大さん。《Farewell》と題された受賞作は、古代ローマの詩人、オウィディウスの『変身物語』に基づくもので、「ナルシズム」の語源になった美少年ナルキッソスが自分を愛するあまりにスイセンになる話をモチーフにしています。新藤さんは、6歳になる息子さんが鏡を見ながらニヤニヤしたり変顔したりしているのを見て、「ナルシストっぽいな」と思ったのがキッカケで、この物語に興味を持ったそうです。

《Farewell》でグランプリを受賞した新藤杏子さん

優秀賞は、大山智子さんの《AMAKUSA》、矢島史織さんの《光の森》、石上雄介さんの《星を見た日》の3作品。只野彩佳さんの《彩歩き》が読売新聞社賞、マツシタユキハさんの《1人で死にたくない》、飯島ひかるさんの《お花ランド②》、堀花圭さんの《Mountains sesh》、高橋陽平さんの《暗い瓦礫と栄光の瓦礫》の4作品が、審査員特別賞です。マツシタさんの作品は、「ずっとひとりで居たいのに一人で死にたくない」というテーマで描いたそうで、「この無秩序な自室とその中にいる私が本当の私である。自室を自身の内側とみなした時、その状態は私の精神と呼応する」と音声ガイド用の原稿で綴っています。

マツシタユキハさんと《1人で死にたくない》
「FACE展2022」の展示風景

その他の入選作も、個性にあふれた作品ばかり。「みなさんレベルが高くて……。グランプリを取れたのは、本当にラッキーでした」と新藤さん。「FACE展2022」は3月13日まで。詳しくは、美術館HP(https://sompo-museum.org)を見てください。(事業局専門委員 田中聡)

「FACE展2022」の展示風景

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