【宝石展開幕】 科学と文化で掘り下げるゴージャスな特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」 国立科学博物館で6月19日まで

リュミニー侯爵夫人旧蔵 ピンク・トパーズとアクアマリンのパリュール 1820年頃 個人蔵、協力:アルビオン アートジュエリー・インスティテュート

特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」
会場:国立科学博物館
会期:2022年2月19日(土)~6月19日(日)
開館時間:9時~17時(入場は16時30分まで)
*4月22日(金)より、毎週金・土曜およびGW期間【4/29(金)~5/7(土)】に20時(入場は19時30分まで)までの夜間開館。5月8日(日)は通常通り17時まで。
入場料:一般・大学生2,000円、小・中・高校生600円
休館日:月曜日(祝日の場合は翌火曜日休館)※ただし3月28日、5月2日、6月13日は開館
アクセス:東京都台東区上野公園、JR上野駅公園口から徒歩5分、東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅7番出口から徒歩10分、京成線京成上野駅正面口から徒歩10分
※日時指定予約が必要。当日、博物館で販売する当日券での入場枠もあるが、来場時に待つ場合や予定枚数が終了している場合がある
詳しくは公式サイト(https://hoseki-ten.jp)で確認を

有史以来、人々が「美の源泉」として憧れ続けてきた宝石の姿を科学、文化の両面から掘り下げる、ユニークでゴージャスな展覧会です。

 

高さ2.5メートルの巨大アメシストドーム。写真撮影可能です

開幕前日の内覧会を取材しました

「宝石の極み」

2月19日(土)に国立科学博物館で開幕する特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」の内覧会に伺っています。本物で溢れかえる展示会場は実にきらびやか。

リュミニー侯爵夫人旧蔵 ピンク・トパーズとアクアマリンのパリュール 1820年頃 個人蔵、協力:アルビオン アートジュエリー・インスティテュート

こちらはナポレオン帝政下の名将、モルティエ元帥が娘の結婚に際して作らせたというピンク・トパーズとアクアマリンのパリュール(セット)。その来歴を知ると、一層豪奢に感じます。

ロシア大帝エカテリーナ2世のエメラルド(18世紀中期) -ランデル、ブリッジ・アンド・ランデルによるセッティング(1830年頃)- 個人蔵、協力:アルビオン アート・ジュエリー・インスティテュート

こちらはあのロシア大帝エカテリーナ2世がロシア駐在英国大使に贈ったエメラルドに、大使令嬢の婚家である侯爵家がダイヤモンドを加えたネックレスとイヤリング。エカテリーナが触ったかも、とワクワクしてしまいました(^^)

 

ルビーとダイヤモンドのブレスレット 1816年以降 フランス 個人蔵 協力:アルビオン アート・ジュエリー・インスティテュート

マリー・アントワネットの長女、アングレーム公爵夫人旧蔵のルビーとダイヤモンドのブレスレット(上の写真の下段)。マリー・アントワネットの美学を継承しているといいます。これらは第5章「宝石の極み」コーナーで堪能できます。

ジョルジュ・フーケ作 アルフォンス・ミュシャ作画/デザイン コルサージュ・オーナメント 個人蔵、協力:アルビオン アート・ジュエリー・インスティテュート
ヴュルテンベルク王室旧蔵 ピンク・トパーズとダイヤモンドのパリュール 個人蔵、協力:アルビオン アート・ジュエリー・インスティテュート
ヴィクトリアン デマントイドガーネット サラマンダーブローチ 個人蔵、協力:アルビオン アート・ジュエリー・インスティテュート

アール・ヌーヴォー絶頂期の逸品、ジョルジュ・フーケがミュシャと共同制作したコルサージュ・オーナメントなど、いつまでも見ていたい作品ばかりです。

「原石の誕生」

展示は第1章「原石の誕生」から始まります。

アメシストドーム
ダイヤモンド 南アフリカ産 国立科学博物館蔵
ペグマタイトから見つかる宝石コーナー。上段左はトパーズ、下段左はアマゾナイト、右の2つはアクアマリン

「原石から宝石へ」

第2章「原石から宝石へ」。原石の掘削からカットの加工技術を分かりやすく伝えてくれます。

宝石のカットの7種のベース。現物の形を見てぜひ暗記したい

「宝石の特性と多様性」

第3章「宝石の特性と多様性」。200種を超える宝石の洪水のような展示です。「輝き」「煌めき」「彩り」「強さ」といった宝石の価値の基準を解説。宝石の要件の一つである「美しいこと」の要素について科学的に説明します。

監修者のひとり西本昌司・愛知大教授が教えてくれた面白い宝石。ネギではありません。トルマリン(神奈川県立生命の星・地球博物館蔵)です

「ジュエリーの技巧」

「ジュエリーの技巧」の第4章では宝石を更に美しくする職人たちの技術の粋を紹介。

右の「アメンタ ネックレス」は、ホワイト・ゴールド、カルセドニー、サファイア、ルビー、ダイヤモンドからなります。〈アトランティド〉コレクション ヴァン クリーフ&アーベル蔵

 

二ノ宮知子さんのイラストが分かりやすく案内

会場では二ノ宮知子先生の『七つ屋 志のぶの宝石匣』が分かりやすく案内してくれます。先生が特別に描き下ろしたイラストも展示されています。

二ノ宮知子さんが描きおろした『七つ屋 志のぶの宝石匣』のイラスト(上の組写真の左上)。描かれている5つの宝石の展示場所を、監修者で科博研究主幹の門馬綱一さんの案内でまとめました。第2会場に展示のイラストを見たあとに第1会場には戻れません。特に第3章(第1会場)にはたくさんの石が並んでいるので、宝探しの気分でぜひ探してみてください

音声ガイドはカズレーザーさん。

内覧会に登場したカズレーザーさん

話題の画家、安部祐一朗(長靴をはいたねこ)さんが本展のために描き下ろした3点の作品が第2会場で展示、これらをもとにしたデザインのグッズも登場しています。

描き下ろしの作品を前にグッズを持つ 安部さん
「シロナガスクジラ×ダイオプテーズ 」のダイオプテーズ は第3章に展示されているとのこと
緑色の宝石がダイオプテーズ。安部さんによると、硬いエメラルドに見えるけれども実際はエメラルドより柔らかいこの石に、巨体のシロナガスクジラが持つ繊細さとの共通点を見いだして作品にしたそうです
多彩なオリジナルグッズ
ショップでは原石も買えます

ジュエリーに目がない方はもちろん、美術ファンも、歴史マニアも、地学や鉱物が大好きな人もそれぞれ楽しめる特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」。国立科学博物館(東京・上野)で6月19日(日)まで。(読売新聞美術展ナビ編集班 岡部匡志)

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