【開幕】「Chim↑Pom展:ハッピースプリング」森美術館で5月29日まで

ヒロシマがテーマの《パビリオン》(左)と《リアル千羽鶴》(右上)

「Chim↑Pom展:ハッピースプリング」が2月18日(金)から森美術館(六本木ヒルズ)で始まります。開幕前日の内覧会を取材しました。結成17周年を迎えるChim↑Pomは、複数のアーティストが協働する形態「アーティスト・コレクティブ」。あっと驚く意表をついたアートプロジェクトを手がけてきました。

2020年5月、緊急事態宣言下の東京で行われたプロジェクト「May,2020,Tokyo」のコーナー

6人のメンバーからなるChim↑Pomは、社会的なテーマに切り込み、時に大きな批判も巻き起こしてきました。2008年、広島の原爆ドームの上空に飛行機雲で「ピカッ」という文字を描いた《ヒロシマの空をピカッとさせる》。平和への無関心を可視化する意図でしたが誤解を呼びました。

【右】ビデオ作品《ヒロシマの空をピカッとさせる》【左】たくさんの折り鶴で作られた《パビリオン》

Chim↑Pomは事前告知の不徹底を謝罪しましたが、その後も被爆者や市民らとの対話を重ねて、折り鶴を使った《パビリオン》(2013年~)や原爆の残り火をともし続ける《ウィー・ドント・ノウ・ゴッド》(2018年)など、ヒロシマを主題にしたプロジェクトや作品作りを継続してきました。

東日本大震災では、福島第一原発そばでのパフォーマンス《リアル・タイムス》(2011年)、福島県の浜通りで地元の若者たちが“参加”した《気合い100連発》(2011年)など。当時は正直、不快に感じた記憶があります。

《リアル・タイムス》

ただ、福島でも帰宅困難区域内でプロジェクトを継続するなど、Chim↑Pomは関わったテーマをただ炎上させて、通り過ぎるのでなく、真剣に向き合っていることがわかりました。冷笑とは真逆な姿勢が多くの人の共感も生んでいるのでしょう。

《サイレント・ベルズ》(2017/2022年)。帰宅困難区域内にある無人の民家のドアベルが10分に1度の間隔で鳴り続けるインスタレーション。通信機器で接続されたドアベルが、アテネのホテル、東京とロンドンのギャラリーに設置され、それを押すと、福島の民家で収録された最新のドアベルの音が転送された。本展では民家解体直前の2018年5月1日に収録された最後のベルの音が鳴る

会場には託児所「くらいんぐみゅーじあむ」が設置。世の中の意表と矛盾をつくChim↑Pomならではの作品。「静謐であるべき」美術館に子供の遊び声や泣き声を響き渡らせ、子育て環境への問題を提起します。予約制で別途料金は不要。
営業時間は開館時間と異なるなど、利用を検討する場合は、事前に美術館のホームページで確認をしてください。

ミュージアムショップの一角にはグッズなどを販売するプロジェクト「金三昧かねざんまい」。Tシャツ、トート、キーホルダーから、1000円札を入れるとくちゃくちゃの1000円札が出てくるガチャまで、アイデア満載でした。

(読売新聞デジタルコンテンツ部 岡本公樹)

Chim↑Pom展:ハッピースプリング
会場:森美術館(東京・六本木ヒルズ森タワー53階)
会期:2022年2月18日(金)~5月29日(日)*会期中無休
開館時間:10:00~22:00(火曜日のみ17:00まで、ただし5月3日は22:00まで、入館は閉館30分前)
入場料:平日 一般1,800円(1,600円)/学生(高校・大学生)1,200円(1,100円)/子供(4歳~中学生)600円(500円)/シニア(65歳以上)1,500円(1,300円)
土・日・休日 一般2,000円(1,800円)/学生(高校・大学生)1,300円(1,200円)/子供(4歳~中学生)700円(600円)/シニア(65歳以上)1,700円(1,500円)
()の料金は専用オンラインチケットサイトで購入
詳細は美術館のウェブサイト

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