【BOOKS】『京都国立近代美術館のコレクションでたどる 岸田劉生のあゆみ』劉生の孫・岸田夏子さんによる「麗子像」の解説も

梶岡秀一・岸田夏子『京都国立近代美術館のコレクションでたどる 岸田劉生のあゆみ』が1月31日に新潮社から発売されました。
2021年3月、京都国立近代美術館は、岸田劉生(1891〜1929年)の作品を42点一括収蔵しました。新収蔵により、京都国立近代美術館が保有する劉生のコレクションは、初期から晩期までの代表作や、幅広いジャンル・主題の作品を含み、充実度を高めました。

岸田劉生の画業を多彩な作品で

本書の狙いは、京都国立近代美術館のコレクションを軸に、劉生の画業全体を展望することです。

劉生は、ゴッホ、北方ルネサンス絵画、浮世絵など、心惹かれたものを追究し、自らの表現に落とし込みました。そのため、劉生の作風は目まぐるしく変化していきます。
制作範囲は油彩や水彩だけではなく、日本画、版画、彫刻などの広範囲におよび、主題も自画像、肖像画、宗教画、風景画など、多岐に渡ります。

「劉生の道程」の章では、劉生が住んだ5つの地域(「銀座」「代々木・玉川」「鵠沼くげぬま」「京都」「鎌倉」)に分けて、多彩な作品を紹介。それぞれの土地で劉生が誰と出会い、何に惹かれ、表現をどのように深めていったのか――。京都国立近代美術館の主任研究員の梶岡秀一さんが、劉生のあゆみを解き明かします。

「麗子像」を娘が解説

「麗子づくし」の章では、愛娘の麗子を描いた「麗子像」シリーズに焦点を当てます。「麗子像」のモデル・岸田麗子の次女である岸田夏子さんが、70点にも及ぶ「麗子像」からベスト30を選び、見どころを解説!赤子の麗子から16歳の麗子まで、様々な「麗子像」を堪能すると共に、その背景にあるストーリーや劉生の狙いを紐解きます。

画家でもある岸田夏子さんは、祖父・劉生の作品の模写に挑むことで、劉生が目の前にある対象をただ忠実に写したのではなく、対象から捉えた本質を美感として、描き加えたことに気づいたそうです。

岸田夏子さんは「麗子像」について、このように語ります。

画家は愛娘を描いた数多くの「麗子像」に何を託したのでしょう。それは画家として表現でき得る最高の美を摑んだ確証、それは我が子にだからこそ重ねることができた美、子供とともに成長する画家と娘の歩んだ美の歴史の記録とも言えるでしょう。このような絵画作品は世界広しといえどもどこにも存在せず、見ることはできないでしょう。「麗子像」は不思議な前人未到の美の世界の旅路の証言なのです。(126ページ)

また、「新収蔵記念:岸田劉生と森村・松方コレクション」が1月29日(土)から3月6日(日)まで、京都国立近代美術館で開催されています。本書と合わせて鑑賞すると、劉生が表現した”美”の世界をより深く味わえることでしょう。
本書は定価は2,200円。書店か、新潮社のHPから各インターネット書店でお買い求めいただけます。(ライター・三間有紗)

◇本書を2名にプレゼントします。応募締め切りは2月18日

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