【開幕】「ドレスデン国立古典絵画館所蔵 フェルメールと17世紀オランダ絵画展」東京都美術館で4月3日まで 修復後所蔵館以外で初公開の《窓辺で手紙を読む女》

光と影の画家、ヨハネス・フェルメール。17世紀オランダを代表する画家の初期の傑作《窓辺で手紙を読む女》が展示される「ドレスデン国立古典絵画館所蔵 フェルメールと17世紀オランダ絵画展」が2月10日(木)から4月3日(日)まで東京都美術館で開かれます。《窓辺で手紙を読む女》は修復過程でフェルメールが描いた画中画のキューピッドが現れました。修復後にこの作品が展示されるのは、収蔵するドレスデン国立古典絵画館以外では初めて。
ドレスデン国立古典絵画館所蔵 フェルメールと17世紀オランダ絵画展 |
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会場:東京都美術館(東京都台東区上野公園、JR上野駅公園口から徒歩7分、東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅から徒歩10分、京成電鉄京成上野駅から徒歩10分) |
会期:2022年2月10日(木)~4月3日(日) |
休室日:月曜日、3月22日(火)※ただし2月14日(月)と3月21日(月・祝)は開室 |
開室時間:9:30~17:30(入室は閉室の30分前まで)※金曜日の夜間開室は展覧会公式サイトで確認ください。 |
観覧料:一般2100円、 大学生・専門学校生 1300円、 65歳以上1500円 ※日時指定予約制 |
※最新情報は公式サイト(https://www.dresden-vermeer.jp)で確認を。問い合わせはハローダイヤル(050-5541-8600)へ。 |
開幕前日の内覧会を取材しました
実物の質感、とりわけカーテンの迫力に驚き
修復されたヨハネス・フェルメールの《窓辺で手紙を読む女》(1657-59年頃)がようやく日本で初お目見え。2月10日から東京都美術館(上野)で始まる「ドレスデン国立古典絵画館所蔵 フェルメールと17世紀オランダ絵画展」の内覧会に伺っています。

修復されたこともあるのでしょうか、画面が美しくて細部までマジマジと見いってしまいました。写真でみた印象以上に、実物は向かって右側のカーテンの質感が強烈で、「フェルメールはこのカーテンが描きたかったのかしら?」と思うなどしました。そのせいか、キューピッドはむしろ静かに背景におさまっている印象でした。隣には修復前の姿の複製画が展示されていて、キューピッドの有無による効果をじっくり比較できます。皆さんはどちらがお好きでしょうか。

《窓辺で手紙を読む女》の展示に先立って、1979年にキューピッドの画中画の存在が明らかになってから修復に至る経緯が展示で紹介されています。非常に慎重な作業が繰り返されたことが分かる映像は興味深いです。「なぜ隠された?」の明確な回答は依然、ないようです。
会場には18世紀以来の《窓辺で手紙を読む女》の複製画が何枚も飾られています。どことなくミステリアスで、昔からアーティストの興味を引く存在だった事が伺われます。

レンブラントなど充実のコレクション
ドレスデン国立古典絵画館のコレクションは充実しています。レンブラントの《若きサスキアの肖像》(1633年)など肖像画のコーナーは特に見応えたっぷり。



風景画や歴史画にも良い作品がたくさん。フェルメールだけでなく、じっくり見て歩きたいです。


充実のコラボグッズ。なんといってもミッフィー!
グッズはやはりミッフィー無双です(^^)《窓辺で手紙を読む女》をポップにデザインしてあしらったトートなどもとてもキュート。ほしい!
見れば見るほど引き込まれる《窓辺で手紙を読む女》。キューピッドが暗喩したものは? 消した誰かが意図したことは? 実物を前に想像は膨らみます。(読売新聞美術展ナビ編集班 岡部匡志)
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