【プレビュー】「安野先生のふしぎな学校」美術館「えき」KYOTO で2月25日から 「自ら考えること」の楽しさを味わう

安野光雅 追悼展 安野先生のふしぎな学校 安野光雅美術館コレクション |
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会場:美術館「えき」KYOTO (京都駅ビル内・ジェイアール京都伊勢丹7階) |
会期:2022年2月25日(金)~3月27日(日) |
開館時間:10:00~19:30(入館締切:閉館 30 分前) |
観覧料:一般900円(700円)/高・大学生700円(500円)/小・中学生500円(300円) ※()内は前売料金。 |
詳しくは公式ホームページへ |
「安野光雅 追悼展 安野先生のふしぎな学校」が2月25日(金)から3月27日(日)まで、美術館「えき」KYOTO で開催されます。
安野光雅(1926〜2020年)は、絵本をはじめ、風景画や装丁画など、多岐にわたって活躍した画家です。
小学校で美術教員を務める傍ら、本の装丁や挿絵などを手がけ、活躍の場を広げていきました。デビュー作の絵本『ふしぎなえ』(1968年)からはじまり、『ABCの本』『天動説の絵本』『もりのえほん』など、数多くの作品を発表。司馬遼太郎の紀行『街道をゆく』 の挿絵を担当したことでも知られています。
ユーモアあふれる絵本や、淡い色彩の風景画は、子供だけでなく大人をも魅了してきました。本展では、そんな安野流の楽しみ方が詰まった作品や関連資料を約110点紹介します。
「こくご」「さんすう」「終りの会」など 学校の授業科目に見立てた10章構成で作品を紹介



本展は、安野氏が画家として独立する前の教員時代に着目し、展示構成を工夫しています。
復員後、小学校の代用教員になりましたが、教科書が十分になかったため、教える内容や方法を自ら考え、工夫しました。安野先生の作品に見られる独特の世界観は、教員時代に試行錯誤した経験によって生み出されたといえるでしょう。
また、幅広い分野に造詣が深く、科学や数学、文学など、様々なジャンルの作品を制作しました。
作品に込められた願い「自分で考えることの大切さ」

「光の国/影の国」『かげぼうし』より 1976年 ©空想工房
掲載作品はすべて画像提供:津和野町立安野光雅美術館
島根県津和野町に生まれた安野氏は、幼い頃、里山の自然の中で空想をめぐらせながら遊びました。作品の原点には、幼少期の経験があると考えられています。
2020年12月24日に、94歳で亡くなるまで、安野氏は作品を通して「自分で考えることの大切さ」を伝え続けてきました。
本展の合言葉は「インタレスト!」。ぜひ、「安野先生のふしぎな学校」に入学した気分で、作品を味わってみてください。作品の中から、たくさんの“不思議”や“興味”を見つけていくうちに、「考えることの楽しさ」を実感できることでしょう。
(ライター・三間有紗)
*本展では『ふしぎなえ』『街道をゆく』の展示はありません。