【開幕】松岡美術館が2年半ぶり再開館 記念展「松岡コレクションの真髄」で幕開け

松岡美術館が26日、約2年半ぶりに再開館したので、早速行ってきました。東京・白金台、プラチナ通りからちょっと入った所にある、お洒落な美術館です。エントランスにたたずむのは、フランスの彫刻家、ブールデルの《ペネロープ》。柔らかな体の線ですが、どっしりと芯の強さも感じます。

松岡美術館は、貿易商から身を起こし、多彩な事業を手掛けた松岡清次郎氏が、収集した美術品を「広く愛好家に楽しんでもらうために」創立したものです。26日にスタートした再開記念展「松岡コレクションの真髄」の「企画展1」は「館蔵東洋磁器名品選 松岡清次郎の志をたどる」で、《青花龍唐草文天球瓶》、《青花双鳳草虫図八角瓶》などの名品がずらり並びます。

《青花龍唐草文天球瓶》(手前)など、東洋陶磁の名品が並ぶ
《青花双鳳草無視図八角瓶》の展示風景

「企画展2」は、「館蔵日本画 花鳥風月」。花鳥画だけでなく、美人画の名品も目をひきます。横山大観、奥村土牛ら巨匠の作品が並んだところは圧巻。この美術館の建物は、もともとは松岡氏の私邸だったそうで、個人宅だった当時の床の間も再現してあります。「企画展3」は「古代ギリシア・ローマ大理石彫刻展」。洋の東西、所蔵品は幅広いですね。

「アフロディテ」頭部

個人的に好きなのは、常設展示の「古代オリエント美術」や「ガンダーラ・インド彫刻」あたり。トルコの《馬頭部像》には妙な愛嬌があるし、ガンダーラの《菩薩立像》はいかにも中東的な風貌が魅力的。ヒンズー教の神様たちも見ていて楽しいです。これとは別に「ヨーロッパ近代彫刻」の常設展示があり、そこにあるムアの大きな彫刻にも存在感があります。

トルコの《馬頭部像》には愛嬌がある

再開記念展は417日まで。詳しくは、同館のホームページ(https://matsuoka-museum.jp)を見てください。松岡美術館の住所は、東京都港区白金台5-12-6。最寄り駅は、東京メトロ南北線、都営地下鉄三田線の白金台駅で駅から徒歩約7分ぐらいです。

(事業局専門委員 田中聡)

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