【プレビュー】 現実かジオラマか不思議な世界 「本城直季 (un)real utopia」展 東京都写真美術館(東京・恵比寿)で3月19日から

大判カメラを使い都市や風景、人物などをジオラマのように撮影する、独特の表現で知られる写真家・本城直季の初の大規模個展。現実とも作り物ともとれる作品は、この世界の実在と虚構を問いかけるような不思議な感覚を起こさせる。2006年に木村伊兵衛写真賞を受賞した「small planet」から本展のための撮り下ろしまで、未公開作を含む約200点を展示する。
「本城直季 (un)real utopia」展 |
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東京都写真美術館 地下1階展示室(東京・恵比寿) |
会 期:3月19日(土)~5月15日(日) |
開館時間:午前10時~午後6時(木・金は午後8時まで)※入館はいずれも閉館30分前まで オンラインによる日時指定予約を推奨 |
休館日 :月曜日(月曜日が祝休日の場合は開館し、翌平日が休館)、5月2日は開館 |
入館料 :一般1100円、学生900円、中高生・65歳以上550円 小学生以下、都内在住・在学の中学生、障害者手帳を持つ人(介護者2人まで)無料
JR恵比寿駅東口より徒歩約7分 、地下鉄日比谷線恵比寿駅より徒歩約10分 |
詳しくは展覧会公式サイトへ |
本城の手法はアオリと呼ばれるもの。本城は蛇腹のついた4×5インチの大判カメラを三脚に取り付け、蛇腹を動かし、フィルム面を傾けてピントを調節する。写真の上下部にぼかしができて、ピントの合った範囲が狭くなることで、風景がジオラマのようになるのだという。

生まれ育った街や世界に作り物のような違和感を覚えたのが、作品制作の動機であり原動力になっているという。本展では独自の表現を生み出すまでの試行の時期から、木村伊兵衛写真賞を受賞した「small planet」シリーズ、そこから派生したシリーズ作品を紹介する。



アフリカの大自然であるサバンナに人工的な違和感を覚えた「kenya」シリーズ、地上からはその全体像が見えない工業地帯を空から見た「industry」シリーズ、東日本大震災から3か月後にヘリコプターから撮った「tohoku311」シリーズを初公開する。



東京五輪開催を前にした2021年夏と12月の2回、東京の姿を撮影した。

◆関連イベント
オープニング記念トーク
日 時 3月19日(土)午後2時~3時30分
登壇者 本城直季 武内厚子(東京都写真美術館学芸員)
会 場 東京都写真美術館 1階ホール
定 員 190人 先着順(当日10時から1階総合受付で整理券を配布)
(読売新聞事業局美術展ナビ編集班)