【プレビュー】「出版120周年 ピーターラビット™展」3月26日から、世田谷美術館で  

《『ピーターラビットのおはなし』挿絵原画》 ビアトリクス・ポター 1902年 ウォーン・アーカイブ/フレデリック・ウォーン社 © Frederick Warne & Co. Ltd, 2017

 

出版120周年 ピーターラビット™展
会場:世田谷美術館
会期:2022年3月26日(土)~6月19日(日)
休館日:毎週月曜日(ただし5月2日(月)は開館)
開館時間:10時~18時(入場は17時30分まで)
入場料:一般1600円、65歳以上1300円、大高生800円、中小生500円
詳しくは展覧会公式サイト

世界中から愛され続けている、いたずら好きなウサギ、ピーターラビット™。このシリーズ最初の絵本の出版から、今年で120周年を迎えます。このメモリアルイヤーを祝い、ピーターラビットの誕生前夜から今日に至るまでの歩みを振り返る、盛大なバースデーパーティーをテーマにした展覧会が3月26日から、世田谷美術館で開かれます。

ビアトリクス・ポター 1892年 ヴィクトリア&アルバート博物館 Courtesy of the Victoria and Albert Museum

世界で25000万部を超えるロングセラーとなっている「ピーターラビット」シリーズの作者は、ビアトリクス・ポター ™(1866年~1943年)です。ロンドンの裕福な家庭に生まれたポターは、幼い頃から絵を描く才能を発揮し、特に小動物を好んで描いていました。挿絵画家として仕事を始めた頃、元家庭教師の息子、ノエル・ムーアの療養を見舞うため、いたずら好きなウサギのピーターについての絵手紙を送りました。「ピーターラビット」シリーズを描くきっかけとなった、この直筆オリジナルの絵手紙が日本で初公開されます。

また、ポターが描いたペットのウサギのスケッチなど「ピーターラビット」誕生前に制作された貴重な作品も展示。絵からは卓越した観察力と写実性が伝わってきます。

《『ピーターラビットのおはなし』初版:濃茶色厚紙装丁》 フレデリック・ウォーン社 1902年 ウォーン・アーカイブ/フレデリック・ウォーン社 © Frederick Warne & Co. Ltd, 2021

1902年にフレデリック・ウォーン社からシリーズ第一作 『ピーターラビットのおはなし』が刊行されました。ポターは全ての挿絵を水彩で描きましたが、初版本や版を重ねた絵本では、一部の挿絵が掲載されませんでした。しかし、出版から100年が経過した2002年以降、ポターの当初の想いを尊重し、英語版の絵本では全ての挿絵が掲載されるようになりました。今回の展覧会では、日本初公開の原画を含む彩色画全点が、当初思い描いた形で再現されます。シリーズは1930 年まで次々に出版され、全部で23冊を数えました。

《『ピーターラビットのおはなし』挿絵原画》 ビアトリクス・ポター 1902年 ウォーン・アーカイブ/フレデリック・ウォーン社 © Frederick Warne & Co. Ltd, 2017
《『ピーターラビットのおはなし』挿絵原画》 ビアトリクス・ポター 1902年 ウォーン・アーカイブ/フレデリック・ウォーン社 © Frederick Warne & Co. Ltd, 2017
《『ピーターラビットのおはなし』挿絵原画》 ビアトリクス・ポター 1902年 ウォーン・アーカイブ/フレデリック・ウォーン社 © Frederick Warne & Co. Ltd, 2017

ポターは、絵本の出版だけではなく様々な関連商品も手がけました。絵本のキャラクターを商品化するための特許を取得したのは、ポターが最初だと言われています。商品化に対する彼女の意欲は旺盛で、多数のアイテムを監修しては、納得するまで自分自身で品質やデザインを細かく確認したといいます。今回は、作者自らが監修したピーターラビットのぬいぐるみなど、100年以上前に作られた貴重なアイテムも展示されます。

 

世界から愛されているピーターラビットは、周年ごとにその誕生が祝われてきました。展覧会では、これまでに製作された記念のアイテムのほか、ピーターラビットの世界を体験できるイギリス湖水地方のテーマパーク「The World of Beatrix Potter Attraction」が、この展覧会のために制作した、高さ180センチの特大バースデイケーキも登場します。

公式ショップでは、文具、お菓子、インテリア、ぬいぐるみなどの展覧会オリジナルグッズをはじめ、 書籍や輸入雑貨などたくさんのピーターラビットグッズが並びます。人気デザイナーや、 ブランドとのコラボレーションも楽しみです。

展覧会は、この後、あべのハルカス美術館=2022年7月2日(土)~ 9月4日(日)、静岡市美術館=2022年 9月15日(木)~ 11月6日(日)と巡回予定です。(読売新聞美術展ナビ編集斑 若水浩)

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