【プレビュー】最上級のコレクションを満喫 「大英博物館 北斎ー国内の肉筆画の名品とともにー」 サントリー美術館で4月16日開幕

展覧会名:大英博物館 北斎ー国内の肉筆画の名品とともにー
会期:2022年4月16日(土)~6月12日(日)※会期中展示替えあり
会場:サントリー美術館(東京・六本木、東京メトロ日比谷線、都営地下鉄大江戸線「六本木」駅より直結、東京メトロ千代田線「乃木坂」駅より徒歩約3分)
開館時間:10時~18時 ※金・土および4月28日(木)、5月2日(月)~4日(水・祝)は20時まで開館 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:火曜日(5月3日、6月7日は開館)
入館料:一般1700円(1500円)、大学・高校生1200円(1000円)、中学生以下無料 ※()内は前売り料金
サントリー美術館のウェブサイト(https://www.suntory.co.jp/sma/)※会期、開館時間など変更の可能性があります。最新情報を美術館ウェブサイトでご確認ください。
世界で最も有名な日本人アーティスト、葛飾北斎(1760~1849)。《冨嶽三十六景》や『北斎漫画』など改めて紹介するまでもない名作群で内外の愛好家に親しまれています。フランスをはじめ、海外の画家に大きな影響を与えたことでも知られ、イギリスにも多くのコレクターや研究者がおり、その愛好の歴史は19世紀まで遡ることができます。なかでも大英博物館は複数のコレクターから入手した北斎の優品が多数収蔵されていて、そのコレクションの質は世界でもトップクラスです。

本展では大英博物館が所蔵する北斎作品を中心に、国内の肉筆画の名品とともに、北斎の画業の変遷を追います。約70年におよぶ北斎の作画活動のなかでも、とくに還暦を迎えた60歳から、90歳で亡くなるまえの30年間に焦点。数多くの代表作が生み出された過程を紹介します。
展示では貴重な初期作や晩年の代表作を紹介。


直接、北斎が筆を執った肉筆画の名品も展示。卓越した画力と大胆な発想力が発揮されています。


質量とも充実したコレクションを成立させたコレクターの存在にも注目。6人のコレクターおよび研究者に着目し、旧蔵品や著作、関連資料などを通して、イギリスにおける北斎の愛好の歩みも取り上げます。

信仰や幻想など、目に見えないテーマであっても、豊かな想像力と比類ない画力を駆使して、リアルな作品に結実させます。高齢であっても衰えることのないその技巧を味わいます。

昨今も、途切れることなく展覧会が開催される北斎。そのたびに新たな発見と出会いがある稀有な存在でしょう。今展でもどのような視点が提示されるのか、楽しみです。
(読売新聞美術展ナビ編集班 岡部匡志)