動植綵絵、蒙古襲来絵詞、唐獅子図屏風・・特別展「日本美術をひも解くー皇室、美の玉手箱」 東京藝術大学大学美術館で8月6日開幕

皇室に伝えられた品々を収蔵する宮内庁三の丸尚蔵館の優品と東京藝術大学のコレクションから選りすぐられた82件で日本美術を分かりやすく紹介する展覧会が8月6日から、東京・上野の東京藝術大学大学美術館で開催される。宮内庁三の丸尚蔵館収蔵品として初めて国宝に指定された「動植綵絵どうしょくさいえ」「蒙古襲来絵詞」「唐獅子図屏風」などを含む豪華な内容だ。

日本文化の中心に位置し、長く美術を保護・奨励してきた皇室。その収蔵品はとりわけ高い価値を誇る。また日本の美術史を最初に体系的にまとめたのが、1890年に東京美術学校(現・東京藝術大学)で、岡倉天心が行った日本美術史の講義とされている。そこで今回はその両者がコラボレーション。美術の理解を深めるという原点に立ち返り、鑑賞者が最初に見る作品の形やモチーフに焦点をあてる。

さらに本展では昨年、宮内庁三の丸尚蔵館の収蔵品として、はじめて国宝に指定された次の5件の作品がまとめて紹介される。

①平安時代三跡の一人・小野道風の「屏風土代」後期展示②

②やまと絵の集大成として名高い絵巻「春日権現験記絵」通期展示

③元寇の様子を描いた絵巻「蒙古襲来絵詞」通期展示

④安土桃山時代を代表する狩野永徳筆「唐獅子図屏風」前期展示①

⑤伊藤若冲の代表作「動植綵絵」(芍薬群蝶図、梅花小禽図、向日葵雄鶏図、紫陽花双鶏図、老松白鶏図、芦鵞図、蓮池遊魚図、桃花小禽図、池辺群虫図、芦雁図の計10幅)後期展示①

会期中、作品の展示替えおよび巻替えがあります。
前期展示①:8月6日(土)~8月28日(日)/前期展示②:8月6日(土)~9月4日(日)
後期展示①:8月30日(火)~9月25日(日)/後期展示②:9月6日(火)~9月25日(日)

なお、本展は日本の美を未来に伝えるため、文化庁、宮内庁、読売新聞が取り組む「紡ぐプロジェクト」の一環として開催される。

(読売新聞美術展ナビ編集班 岡部匡志)

特別展「日本美術をひも解く―皇室、美の玉手箱」
会場:東京藝術大学大学美術館(東京・上野公園)
会期:2022年8月6日(土)~9月25日(日)
※会期中、展示替え及び巻替えあり
※月曜休館、ただし9月19日(月・祝)は開館
開館時間:午前10時~午後5時(入館は閉館の30分前まで)
観覧料:当日 一般 2,000円 高・大学生 1,200円
前売り 一般 1,800円 高・大学生 1,000円
日時予約不要
主催:東京藝術大学、宮内庁、読売新聞社
特別協力:文化庁
詳しくは展覧会の公式HP

4月に行われたプレス発表会の様子