週末いきたい! 等伯の松林図屏風だけでない?! 16日(日)までの美術展・展覧会13選

「週末いきたい美術展・博物館」で、先週に続いて今週も東博に行ってきました。1月16日(日)まで、ある国宝が展示されているのです。
原本、複製、VRの3つが見られる長谷川等伯の「松林図屏風」?
週末いきたい! もうすぐ<見納め>11選 松林図屏風 篁牛人 聖徳太子 アナザーエナジー 印象派

こちらも必見ですが、今回紹介するのは「古今和歌集(元永本)下帖」です。

先週、松林図屏風の<3つ>公開について紹介したあと。橋本麻里さんの新刊『かざる日本』(岩波書店)を読んでいたところ、「料紙装飾 光ふる紙」の章に、唐紙師・嘉戸浩さんの言葉で「私が日本美術史上、一番完成度が高く美しいと思っている料紙は、一二世紀の《古今和歌集(元永本)》です」(142頁)とあり、”元永本?最近、目にしたような?”と思いました。
スマホの写真フォルダー(松林図屏風も元永本も撮影可です)を見直してみると、先週、松林図屏風を見たときに、同じ本館2階で元永本を見ていたことがわかりました。
説明文は「完存するなかで現存最古の遺品」とあり、料紙についてはとくに触れられていなかったので、”最古だから国宝なのかなぁ”と、料紙のことはまったく意識せずに文字だけ見ていました。ただ、なんとなく「元永本」という言葉だけ頭に残っていました。

そして、東博を再訪問し、元永本をじっくりと単眼鏡を使って鑑賞しました。料紙には、孔雀か鳳凰かわかりませんが、鳥が描かれていました。嘉戸浩さんが「雲母をムラなく、抜けなく擦ったその仕上がりは圧倒的な美しさで、どうやってつくったのか、いまだに理解できません」(同142頁)と評する美しさに圧倒されました。

東博の本館2階3室で、1月16日までの展示です。「ポンペイ」展や「伝統芸能」展で東博を週末に行かれるときは、松林図屏風とともにこの古今和歌集(元永本)も鑑賞してはいかがでしょうか。

ほかにも16日までの美術展・展覧会を紹介します。(会期末は混雑が予想されます。WEB予約や各館のSNSなどで混雑状況などの確認をしてください)。

1 印象派・光の系譜 三菱一号館美術館

レッサー・ユリィが話題となった三菱一号館美術館(東京・丸の内)で開催中の「イスラエル博物館所蔵 印象派・光の系譜」展は1月16日まで。1月28日からは大阪のあべのハルカス美術館に巡回します。
【探訪】一躍人気のレッサー・ユリィ 独特の作風がコロナ禍の人々の心に響いた? 「イスラエル博物館所蔵 印象派・光の系譜」展(三菱一号館美術館)で注目

2 上野リチ:ウィーンからきたデザイン・ファンタジー 京都国立近代美術館

女性デザイナー上野リチ・リックスの世界初の包括的な回顧展「上野リチ:ウィーンからきたデザイン・ファンタジー」は1月16日まで京都国立近代美術館で開催。バイタリティあふれるリチの人生を約370件の作品や資料とともにたどります。2月18日からは、三菱一号館美術館(東京)で開催されます。
【開幕レビュー】「上野リチ」激動の時代にウィーンと京都で活躍した女性デザイナーの生涯をたどる 京都国立近代美術館で来年1月16日まで

3 アナザーエナジー展 森美術館

森美術館(東京・六本木)の「アナザーエナジー展:挑戦しつづける力-世界の女性アーティスト16人」は1月16日まで会期が延長されました。キャリア50年を超える世界の女性アーティスト16人を紹介する内容です。
【レビュー】キャリア50年超の女性アーティスト16人 たゆまぬ情熱に圧倒される喜び 「アナザーエナジー展」 森美術館

4 鋼の錬金術師展 RETURNS サンシャインシティ

大人気漫画「鋼の錬金術師」の作品生誕20周年を記念した『鋼の錬金術師展 RETURNS』が、1月16日まで東京・池袋のサンシャインシティで。3月12日から6月26日までは大阪・枚方市のひらかたパークイベントホールでも開催。

【レビュー】『鋼の錬金術師展 RETURNS』 “ハガレン展”がパワーアップして帰ってきた!池袋・サンシャインシティで1月16日まで

5 メトロポリタン美術館展  大阪市立美術館

「メトロポリタン美術館展」は大阪市立美術館で1月16日まで。初期ルネサンスからポスト印象派まで、名作65点で西洋絵画史500年をたどります。ラファエロ、カラヴァッジョ、レンブラント、フェルメールなど珠玉のラインナップです。2月9日(水)から国立新美術館(東京)で開催されます。

【開幕レビュー】「メトロポリタン美術館展」初期ルネサンスからポスト印象派まで巨匠の名作65点で西洋絵画史500年をたどる

6 梅津庸一展 ポリネーター  ワタリウム美術館

「梅津庸一展 ポリネーター」は ワタリウム美術館(東京・神宮前)で1月16日まで。作家自身が2004年から2021年までの作品をキュレーションして紹介しています。
梅津庸一展 ポリネーター

7 大・タイガー立石展 世界を描きつくせ! は埼玉県立近代美術館、うらわ美術館

「大・タイガー立石展 世界を描きつくせ!」 は埼玉県立近代美術館、うらわ美術館で1月16日まで。絵画、漫画、イラスト、絵本など様々なジャンルで活躍したアーティスト。生誕80年の節目に、その特異な歩みを2館で振り返る大規模展示です。

大・タイガー立石展 世界を描きつくせ!

8 コレクター福富太郎の眼 あべのハルカス美術館

「コレクター福富太郎の眼」展は、あべのハルカス美術館(大阪市阿倍野区)で1月16日(日)まで開催。福富太郎は画家の有名・無名にとらわれず、自らの目で見て「良質である」と信じた作品を幅広く蒐集し続けました。本展では、福富のコレクションの中から、鏑木清方をはじめとする55人の作家の作品を紹介。80点の作品をとおして、福富のコレクター人生をたどります。

【レビュー】<キャバレー王>の審美眼に魅せられる 「コレクター福富太郎の眼」展 あべのハルカス美術館で2022年1月16日まで

9 アール・ヌーヴォーの華 アルフォンス・ミュシャ展  神戸ファッション美術館

「アール・ヌーヴォーの華 アルフォンス・ミュシャ展」が神戸ファッション美術館で1月16日まで。ポスター、装飾パネルなど500点を紹介します。同館ならではのアール・ヌーヴォーのドレスとミュシャ作品のコラボレーションも。

特別展「アール・ヌーヴォーの華 アルフォンス・ミュシャ展」

10 国立ベルリン・エジプト博物館所蔵 古代エジプト展 東京富士美術館

「国立ベルリン・エジプト博物館所蔵 古代エジプト展 天地創造の神話」は東京富士美術館(東京・八王子)で会期延長されて、1月16日まで。

国立ベルリン・エジプト博物館所蔵 古代エジプト展 天地創造の神話(東京展)

11 戦後デザイン運動の原点 デザインコミッティーの人々とその軌跡 川崎市岡本太郎美術館

戦後の復興からまもない1950年代の東京。ようやく人々の暮らしの中に、家具や道具のデザインへの意識が少しずつ広がりはじめる時期に、「国際デザインコミッティー」(現・日本デザインコミッティ-)は、戦後日本のデザイン運動の先駆けとして、国際交流やデザインの啓蒙を目的に創立されました。1月16日まで、川崎市岡本太郎美術館で。

戦後デザイン運動の原点 デザインコミッティーの人々とその軌跡

12 ミュージアム開館10周年記念 東洋文庫名品展-「東洋学」の世界へようこそ 東洋文庫

東洋学の研究図書館で100万冊の蔵書を持つ東洋文庫が、所蔵する名品を公開する展覧会が東洋文庫ミュージアムで開かれています。「教科書で見た」「聞いたことがある」という歴史を彩るものばかりで、世界中にこの一冊しかないというものも。地域や研究分野ごとの6つのコーナーに分かれて、約60件が展示されています。1月16日まで。

【レビュー】地味だけど凄い ミュージアム開館10周年記念「東洋文庫名品展 『東洋学』の世界へようこそ」 東洋文庫ミュージアム(東京・駒込)で開催中

13 誕生65周年記念 ミッフィー展 松坂屋美術館

ミッフィーをとりまく家族や友達が一緒に紡いでいく物語を、貴重な直筆原画やスケッチ、創作メモなどの資料を通して紹介。日本初登場を含む、300点以上の作品を一挙に公開します。名古屋市の松坂屋美術館で1月16日まで。

誕生65周年記念 ミッフィー展(愛知展)

(読売新聞デジタルコンテンツ部 岡本公樹)

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【開幕】人間国宝から若手作家まで約140点の名品を展覧「未来へつなぐ陶芸 伝統工芸のチカラ展」パナソニック汐留美術館で3月21日まで

日本が誇る工芸技術「陶芸」は長い歴史を持つだけでなく、現代まで進化を続けてきました。歴代の人間国宝(重要無形文化財保持者)から若手作家の作品まで、日本工芸会陶芸部会所属作家を中心に、幅広い名品約140点を展示する「未来へ

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