【開幕】「ミケル・バルセロ展」東京オペラシティ アートギャラリーで、3月25日まで

「銛の刺さった雄牛」

ミケル・バルセロ展
会場:東京オペラシティ アートギャラリー
会期:2022年1月13日(木)~3月25日(金)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌火曜日)、2月13日(日)
開館時間:11時~19時(入場は18時30分まで)
入場料:一般1400円、大・高生1000円、中学生以下無料
詳しくは公式サイト

1980年代から欧州を中心に精力的な活動を行い、現代芸術をけん引する美術家の一人として評価されるミケル・バルセロ(1957年ー)。国立国際美術館、長崎県美術館、三重県立美術館を巡回してきた今回の展覧会は、日本で初めてバルセロの仕事の全貌を紹介するものとなっています。

開幕前日に行われたプレス内覧会に伺いました。

「母」

入口からすぐの場所に、バルセロの母の肖像画が飾られています。スペイン・マジョルカ島に生まれたバルセロは、毎日のように海に潜って、蛸を捕まえていたといいます。風景画を描く母の影響で早くからデッサンを学び、母の本棚にあった多くの画集や画家の伝記を読みふけって、美術の世界へと導かれていきました。

この絵は「ブリーチ・ペインティング」という技法で描かれています。キャンバスを黒く塗ってから、漂白剤で色を抜いていく手法です。この10年ぐらいは、この技法でポートレートを描いています。今回の展覧会では2階にそのコーナーがあります。

上から「冬のメロン」「緑のメロン」「熟したメロン」

ここからは現在に近い作品から、過去の作品にさかのぼっていきます。メロンは最近、熱心に描いているテーマです。

「不確かな旅」

スペインの島で生まれ育っただけに、海や船などは重要なテーマです。「不確かな旅」は難民が海を渡る不安を描いています。そのほか、自分でも獲った蛸などは、何枚もの絵に登場します。

「銛の刺さった雄牛」

サッカーと並ぶ、スペインの“国技”とも言える闘牛の作品も多いです。「銛の刺さった雄牛」は、描かれた絵の上にグラインダーで傷を付けており、キャンバスには切れ目なども残ります。黄色の絵の具の下からは、血の色の赤が出るよう、絵の具を重ねています。

「トーテム」など
「猿」

暴力的なまでの力を加えてから窯で焼いた陶作品や彫刻などは、どれも巨大な立体作品です。また、制作過程を収めたパフォーマンス映像は、荒々しい制作過程に圧倒されます。

欧州以外にアフリカやアジアでも制作し、神話や呪術的な力を秘めた作品は、どちらかと言えば、最初から受け入れやすいものではないかもしれません。しかし、じっくりと見ていくうちにその魅力に引き込まれるのではないでしょうか。(読売新聞美術展ナビ編集班・若水浩)

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