本好きが選ぶ 漫画や絵本の「原画が見たい」2022年の展覧会6選 楳図かずおからピーターラビットまで

美術展ナビに寄稿してもらっているライターがそれぞれ独自の視点で選ぶ2022年のオススメ展覧会。今回は、書評サイトなどにも執筆している本好きライターの岩本恵美さんに「原画が見たい」をテーマに選んでもらいました。


コロナ禍以降、楽しみにしていた展覧会が延期や会期短縮、はたまた中止となることもあり、実物を見る楽しみを改めて噛み締める今日この頃。2022年もたくさんの“ホンモノ”と出会いたいものです。
“ホンモノ”という意味では、ふだんなかなか見る機会がないのが絵本や漫画の原画。そんな貴重な原画の数々が見られる、2022年開催の注目展をピックアップしました。

楳図かずお大美術展(1月28日〜3月25日、東京シティビュー)

©楳図かずお

『漂流教室』や『まことちゃん』『わたしは真悟』などで知られる漫画家の楳図かずおさん。本展では、27年ぶりの新作「ZOKU-SHINGO 小さなロボット シンゴ美術館」の原画全101点が展示されるとのことで、想像するだけでも圧巻です。楳図作品をテーマに、冨安由真さんやエキソニモ、鴻池朋子さんといった気鋭の現代アーティストたちが手がけるインスタレーションにも期待がふくらみます。
「楳図かずお大美術展」公式サイト

くらもちふさこ展(1月29日〜5月29日、弥生美術館)

©くらもちふさこ/集英社

2022年、少女漫画家くらもちふさこさんがデビュー50周年を迎えます。本展は、その画業50年をたどる初の展覧会です。1970〜80年代に『別冊マーガレット』で連載された「いつもポケットにショパン」や「東京のカサノバ」といった代表作の原画を中心に、全会期を通して展示される原画の数はおよそ350点! 4期に分けられた会期ごとに、展示作品の一部も入れ変わるとのことなので、何度でも足を運びたくなりそうです。

弥生美術館 ホームページ

ミロコマチコ いきものたちはわたしのかがみ(2月11日〜4月10日、横須賀美術館)

《ドクルジン》 2019 年 ©mirocomachiko

豊かな色彩と躍動感あふれる筆致で見る者を引き込むミロコマチコさんの絵。本展は「ミロコマチコとは何者なのか」をテーマに近作・新作を中心に紹介し、ミロコさんが生み出す表現の魅力に迫ります。絵本の原画としては、『けもののにおいがしてきたぞ』(2016 年、岩崎書店)、『まっくらやみのまっくろ』(2017 年、小学館)、『ドクルジン』(2019 年、亜紀書房)の3 冊から展示されるとのこと。2020年から各地を巡回してきた本展。筆者も含め、まだ足を運べていないという人は要チェックです!

「ミロコマチコ いきものたちはわたしのかがみ」公式サイト

出版120周年 ピーターラビット™展(3月26日〜6月19日、世田谷美術館 ほか)

2022年は、1902年に刊行された絵本『ピーターラビットのおはなし』が出版120周年を迎えるメモリアルイヤー。本展は、作者のビアトリクス・ポター™によるうさぎのスケッチやイラストレーション、私家版や草稿本、原画など約170点でピーターラビット™の誕生前夜から今日に至るまでの歩みを振り返ります。作品の原点となった《ノエル少年への絵手紙》と彩色画全点が一堂に展示されるのは日本初とのことで、見逃せません!

「出版120周年 ピーターラビット™展」公式サイト

ヨシタケシンスケ展かもしれない(4月9日〜7月3日、世田谷文学館 ほか)

「ヨシタケシンスケ展かもしれない」のイメージ © Shinsuke Yoshitake

ユニークな視点で子どもから大人まで幅広い層に人気の絵本作家、ヨシタケシンスケさん。初の大規模展覧会となる本展では、絵本デビュー作『りんごかもしれない』をはじめとする絵本原画のほか、絵本作家として活動する以前にまで遡り、長年描いてきた膨大なスケッチや学生の頃に制作した立体作品なども展示されます。さらに、この展覧会のためにヨシタケさん自らが考案した展示物も披露されるとのこと。一体、どんなものが会場に現れるのか、今から楽しみです。

「ヨシタケシンスケ展かもしれない」公式サイト

ゴールデンカムイ展(4月28日~6月26日、東京ドームシティ Gallery AaMo ほか)

© 野田サトル/集英社

冒険、歴史浪漫、グルメなどなど多彩な魅力が盛りだくさんなことから、「和風闇鍋ウエスタン」の異名を持つ人気漫画『ゴールデンカムイ』。本展では、同作のイラスト120点超のほか、描きおろし原稿やアイヌ民族の民具資料などの関連資料も多数展示し、“不死身”の元軍人・杉元やアイヌの少女アシㇼパたちが生きる世界が味わえるそう。展覧会開催に際して作者の野田サトルさんが寄せたコメントの「公式ファンブックにもないゴールデンカムイの新たな情報」というのも気になるところです。
※本特別展における「原画」はデジタルで描かれた原稿を印刷したものをさします。
「ゴールデンカムイ展」公式サイト


(ライター・岩本恵美)

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