【開幕リポート】建築そのものの美しさを堪能 「白井晟一 入門」展 第2部「Back to 1981 建物公開」 渋谷区立松濤美術館

日本を代表する建築家白井晟一しらいせいいち(1905-83年)を回顧する「渋谷区立松濤美術館 開館40周年記念 白井晟一 入門」展の第2部「Back to 1981 建物公開」が1月4日(火)から渋谷区立松濤美術館で始まりました。1月30日(日)まで。

第2部の初日を取材しました

1月4日から「白井晟一 入門」展の第2部「Back to 1981 建物公開」が始まった東京の渋谷区立松濤美術館に伺っています。白井の代表作として名高い同美術館そのものを見せる企画です。美術ファンにも人気の建築。何も置いていない展示室が実に新鮮です。

ふだんは閉鎖されている吹き抜けからブリッジを通って展示室に抜ける動線も開放されていて、白井が当初、イメージしていた構造がよく分かります。住宅地の真ん中という狭隘な敷地を広く見せるため、外部空間を内に取り込む工夫が随所に見られます。

見ものはやはりメインの第1展示室。ふだんは作品保護・展示するための壁などに囲まれていてあまり意識しませんが、6㍍を超える天井高もあって203平方㍍という狭さを感じさせません。楕円の構造も昨今の美術館では珍しいそうですが、柔らかい印象を醸し出してステキです。


もうひとつの見ものは初公開の地下の茶室。開館以来40年で初めて茶室としての設えをそろえたそうです。白井はこの空間が好きで、よくここでくつろいだとか。



2階の第2展示室は、第1と広さはさほどかわりませんが、ぐっと親密な雰囲気でお屋敷の居間のよう。白井は竣工直後、この部屋などに自分の書や美術品を飾ったことが分かっています。今回も白井の書や愛蔵の品々を使って当時をなぞったインスタレーションを展開しています。

今回の公開の対象ではありませんが、館長室の家具なども見事です。

渋谷区立松濤美術館 館長室 撮影:上野則宏
渋谷区立松濤美術館 館長室 撮影:上野則宏

有名な階段や壁の微妙な曲線など見飽きることがありません。初日から建築クラスタらしい方々もたくさん来られて、熱心に写真を撮ったり感想を述べあったりしてました。自分は全く素人なので分かりませんが(^_^;)、いくらでも見どころがありそうです。

建物を見せる展示の性格上、館内にほとんど掲示はありませんが、パンフレットがとても分かりやすくてかつ楽しいです。グッズのトートバックもオシャレです。

渋谷の繁華街から少し入っただけで、落ち着いた空間美をたっぷり味わうことができる展覧会。お出かけのついでにいかがでしょう。

第1部「白井晟一クロニクル」から通した概要は下の記事をご覧ください。第2部の展示は1月30日(日)まで。(読売新聞美術展ナビ編集班 岡部匡志)

【開幕】「白井晟一 入門」展が白井が設計した渋谷区立松濤美術館で来年1月30日まで

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