【レビュー】『鋼の錬金術師展 RETURNS』 “ハガレン展”がパワーアップして帰ってきた!池袋・サンシャインシティで1月16日まで

©Hiromu Arakawa/SQUARE ENIX

大人気漫画「鋼の錬金術師」の作品生誕20周年を記念した『鋼の錬金術師展 RETURNS』が、12月18日に東京・池袋のサンシャインシティで始まった。ここでは開幕直前に行われた内覧会の様子をもとに、精一杯の言葉を“錬成”しながら本展の見どころを紹介していくぞ!(ライター・鈴木翔)

2001年から2010年まで月刊「少年ガンガン」で連載されていた荒川弘による漫画「鋼の錬金術師」。全世界シリーズ累計部数は8000万部を越え、2度にわたるアニメ化に実写映画化など、その国境を越えた人気はもはや説明不要だろう。

新規追加・入替含む300点以上の原画を展示

本展は2017年から2019年にかけて全国を巡回した「鋼の錬金術師展」をパワーアップ。前回展から140点以上が新規追加・入替された合計300点以上の原画が展示されており、新規映像エリアの追加やアニメエリアの拡充など多くの点がアップデートされている。

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音声ガイドも前回展からの「エド&アルver.」のガイドに新規録り下ろしパートを追加。本展からは「ロイ・マスタング&リザ・ホークアイver.」のガイドも登場し、2種類から選べる。「ロイ&リザver.」もアニメ版で二人を演じた三木眞一郎と折笠富美子が声を担当している。音声ガイドは全チケットに付いている。どちらを選ぶかは悩ましいところだが、ベストコンビが繰り広げる絶妙のかけあいと一緒に鑑賞を楽しもう。

本展だけのスペシャル4コマしおりをゲット!

エドが「賢者の石」と思しきものを錬成している本展のキービジュアルは、20年前に新連載予告として少年ガンガンに掲載されたモノクロイラストを荒川先生が本展に向けて新たに描き起こしたもの。まさに20周年のメモリアル展にふさわしい2人の姿だ。

 

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そして入場口では荒川先生が本展のために描き下ろしたスペシャル4コマしおりのプレゼントがもらえる。毎曜日異なる絵柄が用意されているそうで、この日は金曜日だったので「筋ようび!」のしおりだった。 筋ようびって…(笑)。

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入場口を入ると、禁忌の人体錬成シーンを音と動画で臨場感たっぷりに伝えるプロローグを経て原画の展示が始まる。原画は「2人の錬金術師」「人造人間」「軍部」「親子」などテーマごとのエリアに分けて展示されている。

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ハガレンの感動が蘇る貴重な原画の連続

最初の「2人の錬金術師」のエリアでは、主人公のエルリック兄弟に光をあてた展示が行われている。第一話の扉絵やコミックス第1巻のカバーイラストなど、序盤から「これこれ!」と立ち止まってしまうような貴重なカラー原画が数多く見られる。

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展示全体を通じて荒川先生のコメントが各所に添えられている。連載の奮闘が伝わってくる言葉を読んでいると、見ている方も同じ頃にあったいろいろな思い出が蘇ってきそうだ。

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続く「人造人間」のコーナーは、全編通じてエルリック兄弟らの敵役となる人造人間(ホムンクルス)の登場シーンをまとめている。黒で統一された空間に、エンヴィーやプライドら煮ても焼いても食えない悪党たちの恐怖を思い出す人も多いだろう。

マスタング組の活躍にも光があたる

続く「戦いの軌跡シアター」と「軍部」の原画展示は、RETURNSから加わった新展示だ。

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ホークアイ中尉やハボック少尉ら、武器や己の得意分野を活かしてマスタング大佐をサポートする彼ら「マスタング組」の存在もハガレンのストーリーを魅力的にしている要素のひとつである。数々のカラー原画では、緊迫のシーンが続く作中の彼らとは異なるリラックスした表情が見られる。

©Hiromu Arakawa/SQUARE ENIX
©Hiromu Arakawa/SQUARE ENIX

もちろんマスタング組の面々以外にも、アームストロング少佐のムキムキ筋肉やその姉上・オリヴィエの“ドS”な一言を描いた原画も見られる。

©Hiromu Arakawa/SQUARE ENIX

また、場内には『ホークアイの狙撃銃』や『ヒュースの両刃投げナイフ』、RETURNSで初登場の『オリヴィエの金時計』など、荒川先生が軍部メンバーらの所有品を書く参考として蒐集した「荒川コレクション」が展示されているのでそちらも必見だ。

荒川先生描き下ろしイラストも!

そして次の「親子」のコーナーではエルリック兄弟の父親であるホーエンハイムを中心に一家の絆が感じられる展示が見られ、物語のフィナーレにつながる展示へ続いていく。

©Hiromu Arakawa/SQUARE ENIX

原画展示の後もアニメーションゾーン、ファンからの祝福メッセージがスクロールする「鋼の錬金術師20周年メッセージWALL」など濃い展示が続く。特にキービジュアルの原版や成長したエルリック兄弟などが転じられた荒川先生の描き下ろしイラストコーナーは感涙モノだ。

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さて、会場を一周し終えて個人的にどうしてもひとつだけ腑に落ちない部分があったエドのオートメイルやランファンの仮面、さらにはバッカニア大尉の腕まであるのに、どうしてマスタング大佐の手袋だけが展示されていないのだ。手袋なんて他のどのキャラクターの武器より簡単に作れ…。

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…と思ったら、“あのお店”の名前を冠した「ハボック雑貨店」のショップに「ロイの手袋」として売られていた。 これさえあれば大佐のように焔を操れるようになれる(かも)。

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『鋼の錬金術師 RETURNS』は、12月18日から2022年1月16日まで東京・池袋の池袋サンシャインシティ 展示ホールCで開催中。2022年3月12日から6月26日までは大阪・枚方市のひらかたパークイベントホールでも巡回開催される予定だ。(鈴木翔)

鋼の錬金術師 RETURNS
会場:池袋サンシャインシティ 展示ホールC(東京都豊島区東池袋3丁目1)
会期:2021年12月18日(土)〜2022年1月16日(日)
休館日:なし
開催時間:10:00〜18:00(最終日の1月16日は16:00閉館。最終入館は閉館の30分前まで)
入場料:一般・大学生 2000円、中高生 1800円、小学生以下 1500円
※音声ガイド付き
※入場日時指定制(10時/11時/12時/13時/14時/15時/16時)
※最終日2022年1月16日(日)は14時入場までの販売。
詳しくは公式サイト(https://www.mbs.jp/hagarenten/)を参照

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