TVアニメ「平家物語」と岡田美術館「The SAMURAI ― サムライと美の世界 ―」展がコラボ 1月2日から特別展示

「平家物語図屏風」(部分) 江戸時代前期 17世紀 岡田美術館蔵

1月からフジテレビなどで地上波放送が始まるTVアニメ「平家物語」とのコラボレーションとして、岡田美術館(神奈川県箱根町)で1月2日(日)から特別展示が行われます。

アニメーション「平家物語」メインビジュアル

TVアニメ「平家物語」は、琵琶法師により語り継がれ、後世の文学や演劇に大きな影響を与えた『平家物語』を初めて連続TVシリーズ化。監督に山田尚子さん、脚本に吉田玲子さん、キャラクター原案を高野文子さんが担当するなど豪華な制作陣と、スター揃いの声優陣で話題を集めています。1月12日(水)からフジテレビ「+Ultra」ほかにて放映されます。放送局、放送日時など詳しくは「平家物語」公式サイト(https://heike-anime.asmik-ace.co.jp/)へ。

一方、岡田美術館では現在、「The SAMURAI ― サムライと美の世界 ―」展を開催中(2月27日(日)まで)。そのメイン作品のひとつである「平家物語図屏風」は、源平の栄枯盛衰を豪華絢爛に表現しています。『平家物語』全12巻の各巻から一場面を描いており、作者、注文主も研究途上という謎の多い作品。総勢約800人もの人物が緻密に描かれていて、高度な技術を持った絵師による作品と考えられ、日本美術史界においても近年注目を集めています。

今回のコラボでは、綿密な時代考証を重ねて制作された美術資料(設定画)や、アニメと屏風で共通する場面や登場人物を関連付けた展示などを行います。放送に先駆けて、アニメの世界観をより深く知ることができる展示となります。

箱根の豊かな自然に囲まれた岡田美術館

『平家物語』が誕生してからおよそ800年。日本人の精神や文化・芸術に今も影響を与え続ける「諸行無常」「盛者必衰」の世界は、屏風とアニメという異なるメディアの中で、それぞれどのように表現されているのでしょうか。ふたつの『平家物語』を見比べることはエキサイティングな経験になりそうです。特別展示は2月27日(日)まで。詳しくは岡田美術館の公式サイト(https://www.okada-museum.com/)をご覧ください。

(読売新聞美術展ナビ編集班 岡部匡志)

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