オールジャンルのアート好きが選ぶ! どうなるのか気になる2022年の展覧会5選!

今年もいよいよ1年の終わりが近づいてきましたね!
連日更新される来年の展覧会情報に、そわそわしっぱなしのアートクラスタも多いはず。これは絶対に見逃せないという内容から、一体どんなふうになるのか気になるというものまで、実に多様な企画が予定されています。
そんなわけで、現代アートも日本美術も西洋美術も好きな私は、「オールジャンルのアート好きが選ぶ!どうなるのか気になる2022年の展覧会5選!」と題して、5つの「どうなる⁉」をキーワードに、2022年注目の展覧会を挙げていきたいと思います。(ライター・虹)

雰囲気最高の三菱一号館美術館は上野リチをどう見せるのか?

上野リチ:ウィーンからきたデザイン・ファンタジー(三菱一号館美術館)2022218日(金)~515日(日)

2021年に京都国立近代美術館(11月16日2022年1月16日)で立ち上がりとなった「上野リチ:ウィーンからきたデザイン・ファンタジー」が、2022218日より、東京の三菱一号館美術館に巡回します。

1893年にウィーンで生まれた上野リチ(誕生時の名前はフェリーツェ・リックス)は、日本人の建築家である上野伊三郎と結婚し、日本へ移住したデザイナーです。

色彩豊かで独創性に溢れたリチのデザインと、三菱一号館美術館のシックな内装は相性抜群のはず。どのような会場になるのか、想像しただけで心が躍ります。

リチが活躍した時代、日本では京都を中心に図案(工芸装飾に用いる絵や模様)の仕事が活発化していました。中でも杉浦非水は有名ですね。リチ同様京都で図案家として活躍し、あの夏目漱石からも愛された画家・津田青楓の展覧会も、6月に松濤美術館で予定されています。

あまり知られていませんが、青楓のデザインは思わず声を上げてしまうほどの可愛さ。こちらも要注目です!

 感染症と向き合う現代にどう響く? 東京で半世紀ぶりの空也上人

特別展「空也上人と六波羅蜜寺」(東京国立博物館 本館特別5室)202231()58()

口から神秘的なものが出ているビジュアルといったら、矢沢永吉の「ゴールドラッシュ」か空也上人かというくらい有名なあの像が、なんと半世紀ぶりに東京で公開されます。

平安時代に「南無阿弥陀仏」と唱えて極楽往生を願う阿弥陀信仰をいち早く広めた僧侶、空也上人。仏師運慶の四男・康勝が手がけたこの像は、「南無阿弥陀仏」の声が阿弥陀如来の姿になったという伝承を表現しています。

およそ1000年前の平安時代半ば(951年)、京都に疫病が流行した際に空也上人が創建したのが六波羅蜜寺です(創建当時の名前は西光寺)。それを念頭に置いて現在の状況を鑑みながらこの像と対峙すると、今までとは違った印象を覚えるかもしれませんね。

展覧会では、六波羅蜜寺の創建時につくられた四天王立像、定朝作と伝えられる地蔵菩薩立像など、平安から鎌倉時代の彫刻の名品が一堂に集います。

  2年、待ったゼ! 芸術と権力の関係はどう語られるのか?

ボストン美術館展 芸術×力(東京都美術館)2022723()102()

本展は、ボストン美術館の優れたコレクションから古今東西の傑作を選りすぐって展示するだけでなく、「芸術と権力」という切り離せないテーマに主軸を置いた意欲的な内容。音声ガイドも人気声優の鈴村健一さんと櫻井孝宏さんが、それぞれ「芸術の表と裏」を担当するという趣向を凝らしたもので、多くの人が心待ちにしていた展覧会でした。

──しかし開幕直前、コロナの打撃を受けて幻の展覧会となってしまうのです。

あれから2年。再開の一報を誰が予想できたでしょう?

満を持して実現される幻の展覧会は、芸術と力の関係性を如何にして語るのか⁉ これは期待せざるを得ませんね。

 その思想をどう咀嚼する? 李禹煥

国立新美術館開館15周年記念 李禹煥(国立新美術館 企画展示室 1E2022810日(水)~117日(月)

国立新美術館の開館15周年を記念して開催される、李禹煥の大規模回顧展。ファンはもちろん、多くのアート好きが注目しているのではないでしょうか。

「もの派」を代表する国際的な作家である李は、芸術をイメージや主題、意味の世界から解放し、ものともの、ものと人との関係を問いかける作風で知られています。

未知のウィルスや気候変動による自然災害、不安定な情勢といった未曾有の社会を生きている我々にとって、「すべては相互関係のもとにある」という李の思想を作品からどう受け取り、咀嚼するか。

作家の軌跡を辿り、また新境地を示唆する新作を通しながら、今立っている世界の岐路を見つめなおす機会を得ることができそうです。

 膨大な150年をどうまとめる⁉ 東博の国宝をすべて展示

東京国立博物館創立150年記念 特別展「国宝 東京国立博物館のすべて」(東京国立博物館)20221018日(火)~1211日(日)

発表された「東博150周年」のキービジュアルは1955年頃に撮影された写真という

東京国立博物館をマイベストミュージアムに掲げる人は、この展覧会開催の発表を聞いた瞬間飛び上がったのではないでしょうか? 私は電車の中で思わず声を上げました。

東京国立博物館創立150年を記念し、膨大な所蔵品の中から国宝89件すべてを含む名品と諸資料を通して、東京国立博物館の全貌を紹介するという本展。会期中に展示替えがあるとはいえ、国宝89件すべて(!)が展示されるのは150年の歴史の中でも初めてだそうです。そのほか様々な資料を用いて、東京国立博物館の歴史を振り返る展示も用意されるとのこと。これは来年、「友の会」入会不可避かな……。


以上5点を挙げてみましたが、こうしている間にも続々と最新情報が公開され、「ああ、それも気になる!」と落ち着かない日々を過ごしています。

上記以外にも、アート好きの間で期待が寄せられている「ボテロ展 ふくよかな魔法」が4月にBunkamura ザ・ミュージアムで開催されますし、現在連載がクライマックスを迎えている「ゴールデンカムイ」の展覧会もこの春、東京ドームシティを手始めに全国巡回が予定されています。

また、年明けの122日からは、東京都美術館で「フェルメールと17世紀オランダ絵画展」が始まりますね。目玉はヨハネス・フェルメールの《窓辺で手紙を読む女》。修復後の姿を公開するのは所蔵館に次いで世界初となるこちらは、修復の際に壁の中からキューピッドの画中画が出現したことで話題となりました。

 

加えて2022年は、大阪中之島美術館をはじめとする新しく開館する美術館や、国立西洋美術館、泉屋博古館東京などリニューアルオープンとなる美術館がいくつか控えています。そうそう、静嘉堂文庫美術館も丸の内にやってきますね!

 未来に楽しみがあるというのは素敵なことです。これから発表される展覧会もまだまだありますし、来年はどんな作品や資料に出会えるのかと期待は尽きません。

どうかのびのびと文化芸術を味わえる日が帰ってきますように。

そして2022年も胸打つ展覧会に出会える、素晴らしい1年となりますように!

(ライター・虹)
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