福岡の短大と美術教室が連携して小学生たちが海をテーマにアートな工作に挑戦

子どもたちが描いた魚がスクリーンに映し出された

九州産業大学造形短期大学部(福岡市東区)で11月7日と28日、小学生向けの「工作ワークショップ」が行われました。公益財団法人日本財団が推進する「海と日本プロジェクト」の一環として、同学部と「山王ひなた美術教室」(同市博多区)の連携で開催されたイベントです。参加した児童たちは、学生が準備した工作に挑戦したり、影絵人形劇を見たりして”海の課題”を楽しく学びました。

今回のワークショップは、九産大造形短期大学部の森下慎也准教授と1年の学生有志で準備に取り組みました。同学部では実践力、企画力、コミュニケーション力を養う授業「学外アートプロジェクト」に力を入れており、これまでも数々の企業や行政、地域と手を携えてアート活動を進めてきました。

九産大造形短期大学部の森下准教授

幼い頃から、ぜんまい仕掛けのおもちゃと仕組みに夢中だったという森下准教授は、カラクリ玩具やダンボールアートを使ったワークショップを手がけてきました。ワークショップで使うキットは「大人が楽しめるレベルのものを子どもたちに提供したい」と細部のクオリティーにも妥協しません。

ワークショップの準備を進める学生たち

当日のプログラムは、段ボールとライトを組み合わせて海の生き物を表現する「工作」と、その作品でスクリーンに映し出す「影絵人形劇」で構成されています。初回のワークショップが迫った11月3日、大学のデザイン室を訪ねると、黙々と準備作業に打ち込む学生たちの姿がありました。

驚き、喜んでもらえる時間を

イベントの会場となるのは、普段は講義に使っている教室です。ステージ演出、シナリオづくり、工作キット作成の3チームに分かれ、それぞれ作業の仕上げを進めます。海中を彩る海藻は、シートを手作業でカットして優しく繊細な仕上がりに。障子紙を並べたものをスクリーンとして用いて、作品の世界観に広がりを持たせるなど各所に工夫を凝らしました。

学生が手作業で仕上げた劇中のクジラや海藻
子どもたちが工作に使うダンボールのライト。通称「お魚ライト」

本番を想定し、当日の流れを一通りチェックしてみると、調整がなお必要な箇所がいくつも出てきます。日が落ちても作業は続きましたが、学生たちは「自分で設営してみて初めて気づくことがあった」「参加した子どもたちにワクワクしてほしい」と根気強く改良を重ねました。

経験が自分の強みに

いよいよ迎えた当日――。やって来た子どもたちは、会場に据えられた大きなスクリーンや工作キットに興味津々です。学生のサポートに導かれながら、自分でイラストを描き、工作を組み上げていきます。

それぞれのレベルに合わせ学生がサポートした

学生が準備した影絵人形劇は、ごみだらけの海と、ごみで弱ったクジラを子どもたちが助けて、生き物でいっぱいの世界を取り戻すというストーリー。組み上げたライトをスクリーンに当てると、子どもたちが描いた魚が映し出され、会場から歓声が上がります。その様子に、進行する学生たちもうれしそうです。

子どもたちが描いた魚がスクリーンに映し出された

イベントが終わり、自分の作品を携えて満足そうに教室を後にする子どもたちと、手を振って見送る学生たち。共有したあたたかい時間が胸に残っているようでした。

ワークショップに参加した子どもたちと学生

森下准教授は「今日を迎えるまで学生自身が手を動かして悩んだことは、すべて言語化できると思います。就職活動や社会に出てからも役立ててほしいですね」と話していました。

(読売新聞西部本社ささっとー編集部 宮本昌美

「福岡ふかぼりメディア ささっとー」(12月13日公開)の記事を再掲。

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