【開幕】「マイブーム」たちは民藝⁉ 開館25周年記念「みうらじゅん マイ遺品展」(京都・アサヒビール大山崎山荘美術館)

今年で25周年を迎えたアサヒビール大山崎山荘美術館(京都府大山崎町)で、開館25周年記念「みうらじゅん マイ遺品展」が開幕した。


本展は、「マイブーム」、「ゆるキャラ」などの命名者であり、イラストレーターや漫画家、エッセイスト、ミュージシャンなど幅広く活躍するみうらじゅんが自ら「マイ遺品」と名づけた品々を展示するもの。


展示室には、描いたもの、書いたもの、録ったもの、貼ったもの、作ったもの、まとめたもの、集めたもの……クスっと笑える、みうら氏と同世代にはなつかしい愛すべき小物たちが所狭しと並ぶ。

京都出身で18歳まで京都の街で過ごしたみうら少年。大好きなウルトラマンなどの特撮テレビ映画の切り抜きを貼ったスクラップは、「マイブーム」という流行語を作った男のスタートラインを知るようで感慨深い。代名詞でもある仏像にハマるきっかけとなったのも、この時期からなのがわかるスクラップも。

みうら氏は展覧会開催にあたってのインタビュー内で「自分が集めたものをこうして観たら、もはや“民藝”じゃないですか」と笑う。同館本館は築100年を超える名建築として有名だ。そこに並ぶ「マイ遺品」たちは、たしかに民藝と言えるのかもしれない。

安藤忠雄建築の山手館では、描きおろし作品「コロナ画55(ゴーゴー)」が出迎えてくれる。走馬灯を彷彿とさせるシリーズには、新作も追加された。笑いの中に、クリエイターとしてのセンスやこだわりも感じ取れる。


館の外には、「飛び出し坊や(飛び出し注意の少年の看板)」のみうらじゅんモデルが。これは実際に制作されているメーカー製で、全部で5体あるとのこと。美術館への道のり、展示室の窓から見える景色の中……ぜひすべて探してみてほしい。

さらに、本展のために制作された記念スタンプもお忘れなく。


<開催概要>

展覧会名:開館25周年記念「みうらじゅん マイ遺品展」

会期:2021年12月18日(土)~2022年3月6日(日)

会場:アサヒビール大山崎山荘美術館(京都府大山崎町、阪急京都線「大山崎」駅、JR京都線「山崎」駅から無料送迎バス=ご高齢の方優先=あり)

開館時間:午前10時~午後5時(最終入館は午後4時30分まで)

休館日:月曜(ただし祝日の場合は翌火曜)

年末年始休館:12月27日(月)~1月3日(月)

入館料:一般900円、高・大学生500円、中学生以下無料、障害者手帳をお持ちの方300円

アサヒビール大山崎山荘美術館ホームページ(https://www.asahibeer-oyamazaki.com/

(おわり)