【開幕】「バンクシー展 天才か反逆者か」原宿駅前のWITH HARAJUKUで

シュレッダー事件でバンクシーの名をとどろかした作品と同じモチーフの《ガール・ウィズ・バルーン》

「バンクシー展 天才か反逆者か」が12月12日(日)から、東京・原宿駅前の「WITH HARAJUKU」で始まりました。世界で最も注目を集める匿名アーティスト・バンクシーのオリジナル作品である版画(スクリーン・プリント)や立体オブジェクトなど70点以上を展示する世界と国内を巡回してきた大規模展です。2022年3月8日まで。

バンクシー展 天才か反逆者か
期間:2021年12月12日(日)~2022年3月8日(火)*2月24日休館
時間:10:00~20:00(最終入場30分前)
日時指定チケット 平日 大人1800円、大・高・専1600円、中学生以下1200円
土日祝 大人2000円、大・高・専1800円、中学生以下1400円
会場:WITH HARAJUKU(東京都渋谷区神宮前1丁目14-30)
JR山手線「原宿」駅徒歩1分、東京メトロ千代田線・副都心線「明治神宮前<原宿>」駅徒歩1分
展覧会公式ホームページ:https://banksyexhibition.jp/

開幕前のメディア内覧会を取材しました

「バンクシー展 天才か反逆者か」が12日(日)から、原宿駅前の「WITH HARAJUKU」で始まります。内覧会に伺いました。匿名アーティスト・バンクシーのオリジナル作品である版画や立体作品など70点以上が一堂に会する大規模展です。

バンクシーの代表作「ラブ・イズ・イン・ジ・エア」の貴重な3部作版《スロウアー》

ストリートアーティストとして有名なバンクシーですが、屋外にステンシル(型紙にスプレー)で描いた作品は、初期は消され、最近はすぐに「剥がされる」などしてほとんど残っていません。しかし、スクリーン・プリント(版画)のオリジナル作品が流通しています。その貴重な原版も展示。

初期の代表作《ラフ・ナウ》のスクリーン・プリントの原版
プリント・スクリーンの《ラフ・ナウ》も展示

オークション落札直後にシュレッダーで半分裁断されたものとおなじモチーフの《ガール・ウィズ・バルーン》はシリアルナンバー334/600。なおシュレッダーされた作品はバンクシー本人が《愛はごみ箱の中に》と名付けています。

バンクシーの代名詞となったモチーフ《ガール・ウィズ・バルーン》
展示されているガール・ウィズ・バルーンの部分
《ボム・ラブ》(左)

《ラブ・イズ・イン・ジ・エア》、ラット(ネズミ)シリーズ、《ボム・ラブ》などバンクシーを物語る上で欠かせない著名なモチーフの多くを見ることができます。

全国巡回の東京展のみの特別展示も注目です。バンクシーを現代アートの歴史の本流に位置づけ、そのルーツに迫ります。アンディ・ウォーホルとバスキアの作品とバンクシーの作品を同じコーナーに展示し、比較できます。

ウォーホルの有名な「マリリン」(右)と、それにインスピレーションを得たバンクシーの「ケイト・モス」(左)
「Bank of」が「Banksy of」になっているなどお札ではありえない要素が満載

面白いのがイベントでばらまく予定だったという偽ポンド札。試しに配ったものが実際に使われて大問題になり、バラマキは中止。大量の在庫は、バンクシーの真正作品の証明として半分にちぎり、割り印のように利用されているそうです。最近注目のデジタル技術を使ったNFTアートとは対極的で、バンクシーらしいです。

(読売新聞デジタルコンテンツ部 岡本公樹)

主な出品作品は下のプレビュー記事をご覧ください。
【プレビュー】「バンクシー展 天才か反逆者か」12月12日(日)から原宿で開幕