【レポート】里山や閉校した学校、駅舎に息づく現代アート 「いちはら×アートミックス」千葉県市原市で12月26日まで

岡田杏里さんの「月が生まれたとき」(市原市月出の「月出工舎」で)

晴天に恵まれた師走のある日、千葉県市原市に来ました。房総半島の里山の自然と現代アートを楽しめる「房総里山芸術祭 いちはらアート×ミックス2020+」(#いちはらアートミックス )の会場を訪ねるためです。こちらは昨今の流行りに乗った訳ではなく(^_^;)、今回のアートミックスで話題の宇宙飛行士のオブジェです。小湊鉄道の上総村上駅にあります。

ロシアのアーティスト、レオニート・チシコフの作品。市内を縦断し、いちはらアートミックス のアクセスの柱でもある小湊鉄道を銀河鉄道に見立て、オブジェを配置してます。ローカル線の無人駅と不思議にマッチしてました。

南北に長い市原市の南端に近い養老渓谷駅にもチシコフのオブジェ。旅行カバンの形をした7つの月で、人生という旅を続ける万人の友、という意味と。愛らしい造形でホッコリしました。

広い市域に分散して会場があるので、1日で全部を見るのは困難です。今日は「月出」という地名に誘われて山あいの小学校廃校跡の会場へ。岡田杏里さんの「月が生まれたとき」というダイナミックな作品が目に飛び込んできました。

校舎3階への階段も含めて壁面にびっしりと。この地区に滞在して地元の方から聞いたエピソードも交え、自然と動物と人間のつながりを描いています。地域密着の芸術祭ならではですね。

ここには竹村京さんら力のあるアーティストの作品が並び、実に見応えありました。芸術の発信拠点としての整備が進んでおり、これからが楽しみです。作品も多くは残るそうです。

平三(へいさん)という地区も閉校した小学校が会場。栗真由美さんの「ビルズクラウド」という作品は、地元の商店などをイメージしたたくさんのミニチュアハウスに明かりが灯り、地域のぬくもりを感じます。

里山の自然がたっぷりと味わえるのも魅力。一方、人口減に直面する地域の実情も垣間見えてきます。

高滝湖に面した市原湖畔美術館は首都圏の美術ファンならご存じの方も多いでしょう。こちらも会場で、景色もユニークな作品も楽しめます。

出発地点の五井駅へ。森や山の緑と水、古びた駅舎や校舎、地域の人々。そこに根を張るアーティストたち。その組み合わせに惹き込まれます。皆さんも触れてみてはいかがでしょう。

房総里山芸術祭 いちはらアート×ミックス2020+」は12月26日(日)まで。月曜、火曜は休場です。詳しくは下の記事もご覧ください。

房総の里山で現代アートと自然を満喫 「いちはらアート×ミックス2020+」が11月19日開幕

(読売新聞美術展ナビ編集班・岡部匡志)

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