今年もデジタルアート界を牽引したチームラボ お台場、福岡、佐賀、常設3展示の2021-2022冬のお楽しみをまとめてチェック!

《呼応するランプの森 - ワンストローク、Flame / Forest of Resonating Lamps - One Stroke, Flame》 teamLab, 2016, Interactive Installation, Murano Glass, LED, Endless, Sound: Hideaki Takahashi

3月から11月にかけて六本木で開催された「TikTok チームラボリコネクト」、豊洲の超巨大没入空間「チームラボプラネッツ TOKYO DMM」のガーデンエリア新設など、今年も国内外でデジタルアート界を盛り上げてきたチームラボ。この冬もお台場・福岡・佐賀の各ミュージアムでこの時期だけの企画や演出が行われている。ここでは「チームラボ 2021-2022冬のお楽しみ」と題し、それぞれの見どころをダイジェストで紹介する。

東京・お台場に今年も《お絵かきクリスマス》が登場!

東京・お台場の「森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボボーダレス」には、11月17日から冬の景色が順次登場している。

《人々のための岩に憑依する滝 / Universe of Water Particles on a Rock where People Gather》teamLab, 2018

今年7月に開館以来初めて大幅なリニューアルを行った同ミュージアム。1万平方メートルを越える巨大空間は大きく5つのエリアに分かれている。そのうち、大人も子どもと一緒に楽しめる体験が満載な『学ぶ!未来の遊園地』では、今年も12月31日までの限定で「お絵かきクリスマス」が楽しめる。

《お絵かきクリスマス》teamLab, 2014-

これはクレヨンで描いたサンタクロース、車、家などの絵が壁面いっぱいの街の中で動き出すクリスマス期間限定の展示作品。自分の描いた絵が目の前の街の中に現れるというだけでもすごいのだが、さらに驚きなのはコンピューターによって自分の絵が平面から3Dに変換されて描かれることだ。自分が描いていない頂点や側面の部分も描かれてあらわれる。

さらに街には触れることができ、描いた絵が動き出す。例えばサンタクロースはソリの方にくるっと振り返り、街にプレゼントを投げ落としていく。鑑賞者の存在やふるまいによって変化するチームラボ作品の世界観を端的に感じることができる空間ともいえる。ちなみに壁面の中を飛ぶヘリコプターに近づいて、お絵かきゾーン上のスクリーンを見ると…。

なお「お絵かきクリスマス」で描いた絵は、同じエリアの「お絵かきファクトリー」で缶バッジ、タオル、Tシャツなどのクッズにして持ち帰ることができる(有料)。注文端末で自分たちが描いた絵をセレクトすると自動的に数パターンのデザインを作成してくれる。2つの絵を合成することもできるので、親子やカップルで世界にひとつだけのアイテムを作ってみよう。

7月の大規模リニューアルで新たに登場した作品もチェックしておこう。同じエリアの《運動の森》には4つの作品が新登場。そのうちのひとつ《タイフーンの上のエアリアルクライミング》では、ロープに吊るされた光の棒を移っていくことで周囲の作品風景が変わっていくというアートへの没入体験が味わえる。

《タイフーンの上のエアリアルクライミング / Aerial Climbing over the Typhoon》 teamLab, 2021, Interactive Digital Installation, Sound: teamLab
《鼓動する大地 / Beating Earth》 teamLab, 2020, Interactive Digital Installation

《鼓動する大地》は自然の地形のように小さなアップダウンがある大地をデジタルで描かれた生き物たちが行き交い、人の存在を感じることでそれらが変化していく。

あの“超エモい”ランプ空間も冬仕様に

無数のランプが幻想的な世界を作り出す『呼応するランプの森』も冬仕様に。12月から1月限定の「氷洞」と1月限定の「Flame」という対照的な2つの作品が鑑賞できる。

《呼応するランプの森 – ワンストローク、氷洞(アイスケイブ)  / Forest of Resonating Lamps – One Stroke, Ice Cave》 teamLab, 2018, Interactive Installation, Murano Glass, LED, Endless, Sound: Hideaki Takahashi
《呼応するランプの森 – ワンストローク、Flame / Forest of Resonating Lamps – One Stroke, Flame》 teamLab, 2016, Interactive Installation, Murano Glass, LED, Endless, Sound: Hideaki Takahashi

これらのランプは人の存在を感じて強く輝き音色を響かせ、その光が最も近い距離にあるランプに影響し、光が次から次へ伝播していく。そして一筆書きのようにすべてのランプに光を灯し、必ず最初のランプへ帰ってくる仕組みになっている。他者が発した光同士が出逢うと両者は合わさって輝き、かすかな余韻を与えて消えていく。

ランプの森の中に身を投じて味わう圧倒的な没入感も魅力だが、額に入った絵画を見るような感覚でランプに一筋の光が描かれる様子を眺める、外からの景色も感動的だ。

複数の作品が境界を超えて混ざり合い一つの世界を作り出す『Borderless World』にも《増殖する無量の生命》《地形の記憶》《積層された空間に咲く花々》などの作品が冬仕様に。

他の作品の中を走っていく「空書」

なお、7月のリニューアルではこのエリアにも新しい作品が加わった。《反転無分別、境界を越えて描かれる》は、チームラボが表現する空間に書く書「空書」がディスプレイを飛び出し、一筆を描きながら他の作品に影響していく作品だ。これらの作品が作り出す唯一無二な空間をじっくり楽しみたい。

《反転無分別、境界を越えて描かれる – One Stroke, Cold Light / Reversible Rotation, Flying Beyond Borders – One Stroke, Cold Light》teamLab, 2019, Digital Installation, Sound: Hideaki Takahashi

福岡の新スポットも冬の装いに変化

昨年、福岡・福岡市のPayPayドーム隣にオープンしたばかりの新名所「BOSS E・ZO FUKUOKA」内にある「チームラボフォレスト 福岡 – SBI証券」では、季節の移ろいとともに変化する4作品が冬の装いを見せている。

《うごめく谷の花と共に生きる生き物たち – A Whole Year per Year / Shifting Valley, Living Creatures of Flowers, Symbiotic Lives – A Whole Year per Year》 teamLab, 2020-, Interactive Digital Installation, Sound: Hideaki Takahashi 提供写真

チームラボの作品は、コンピュータープログラムでリアルタイムで描かれ続けており、さらには人の存在によっても変化を見せることから二度と同じ景色に出逢うことはない。それに合わせて、作品の中には現実世界の季節の移ろいに合わせて一年を通じて少しずつ見え方を変化させている。

《ふわふわな地形のつぶつぶの地層 – A Whole Year per Year / Soft Terrain and Granular Topography – A Whole Year per Year》 teamLab, 2020-, Interactive Digital Installation, Sound: teamLab 提供写真

《ふわふわな地形のつぶつぶの地層》もそのひとつだ。本作品では、高低差を設けたやわらかな地形の上にさまざまな光の粒が降り注いで地層模様を描いていく。粒は高いところから低いところへ流れ、その中に人が存在することによって人の重さで沈んだところにも粒が集まり、模様を変化させていく。降り注ぐ粒は四季のほか、一日の中の時間帯や「太陽」「水」「大地」の色彩によっても形を変える。

《群蝶、儚い命 – A Whole Year per Year / Flutter of Butterflies, Ephemeral Life – A Whole Year per Year》 teamLab, 2020, Interactive Digital Installation, Endless, Sound: Hideaki Takahashi 提供写真

そのほか、群蝶が季節ごとに色を変えながら舞う《群蝶、儚い命》も冬の色彩に変化。そして《うごめく谷の花と共に生きる生き物たち》《花と共に生きる動物たち II》にも冬の花々で描かれた動物たちが登場する。

サウナ×アートで話題を呼ぶ佐賀にも待望の常設展示が誕生

佐賀・武雄温泉の御船山楽園には、「チームラボ 廃墟と遺跡:淋汗茶の湯 – ジーシー」が常設展示としてオープンした。本展は専門サイト「サウナシュラン」が選ぶ“今行くべき全国のサウナ施設”で2019年から3年連続グランプリを果たした「御船山楽園ホテル らかんの湯」とコラボし、アート・サウナ・茶の新たな体験を提供している。

幕末の弘化2年(1845)に当時の武雄領主だった鍋島茂義の命を受けて造られた御船山楽園。武雄市の象徴である御船山の断崖を借景として広がる庭園では、2千本の桜や5万本のツツジをはじめ、四季折々の自然が見られる。また、御船山の山中には名僧・行基が3体の磨崖仏と五百羅漢を安置したと伝わる洞窟をはじめとする遺跡や、近代に造られ、時代の変化によって使われなくなった廃墟もある。チームラボでは、2019年からこの御船山楽園でアートとサウナの新しい体験を模索してきた。

御船山楽園(左) 行基の三仏体の磨崖仏と五百羅漢(右)(提供写真)

本展では、サウナーたちの聖地である「らかんの湯」で心身をととのえ、アート空間の茶室「EN TEA HOUSE 応灯楼」でお茶を愉しみ、山内の遺跡と廃墟のアートで感覚を研ぎ澄ますことを通じて、室町時代に行われた「淋汗茶の湯」の文化をオマージュしている。

「御船山楽園ホテル らかんの湯」のサウナ(提供写真)

廃墟には《廃墟の湯屋にあるメガリス》《廃墟の湯屋のフラワーズボミング》《忘れ去られていた地下道の朽ち果てていく場に永遠に憑依する炎》《Light Sculpture of Flames》《生命は生命の力で生きている II 》というアート作品が点在し、忘れ去られた時間と今がつながる。

《廃墟の湯屋にあるメガリス / Megaliths in the Bath House Ruins》 teamLab, 2019, Interactive Digital Installation 提供写真

「EN TEA HOUSE 応灯楼」では、日本古来の服飾文化「かさねのいろめ」でランプが輝く《呼応するランプの森とスパイラル》のアート空間の中で地元・佐賀の茶葉ブランドEN TEAの「月茶」がいただける。無数のランプに囲まれた浮遊感ある空間の中でお茶を飲む体験は特別な記憶になるに違いない。なお本作品は12月6日から冬限定の「雪と寒椿」に変わっている。

《呼応するランプの森とスパイラル – ワンストローク、雪と寒椿 / Forest and Spiral of Resonating Lamps – One Stroke, Snow and Winter Camellia》teamLab, 2018, Interactive Installation, Murano Glass, LED, Endless, Sound: Hideaki Takahashi 提供写真

お台場、福岡、佐賀のチームラボ3ミュージアムの冬のお楽しみをまとめてお伝えした。ぜひ、この冬のレジャーの参考にしてほしい。なお「森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボボーダレス」については2022年8月に閉館が決定している。2023年に都心部へ移転される予定だが、お台場で楽しめる冬の景色は今季が最後になるので、ぜひ今のうちに体験しておこう。

(ライター・鈴木翔)

森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボボーダレス
所在地:東京都江東区青海1-3-8(お台場パレットタウン)
開館時間:12月 平日(1-23日) 10:00-18:00、土日 9:00-21:00、24日-31日 9:00-21:00
休館日:12月21日(火)
料金:大人(高校生以上)3,200円、障がい者割引 1,600円、子ども(中学生以下)1,000円
その他詳しい情報は公式サイトでご確認を
公式サイト  公式チケットサイト 
チームラボフォレスト 福岡 – SBI証券
所在地:BOSS E・ZO FUKUOKA5階(福岡PayPayドーム隣、福岡県福岡市中央区地行浜2-2-6)
開館時間:平日: 11:00 – 20:00 土日祝: 10:00 – 20:00
・福岡PayPayドームナイター開催日、イベント開催日は変更の可能性あり。
・詳細はBOSS E・ZO FUKUOKA公式サイトを確認
休館日:なし
料金:大人2200円、子供800円、障がい者割引 大人2000円、子供600円
その他詳しい情報は公式サイトでご確認を
公式サイト  公式チケットサイト 
チームラボ 廃墟と遺跡:淋汗茶の湯 – ジーシー
会場:御船山楽園 (佐賀県武雄市武雄町大字武雄4100)
開催時間:
アート展11:00-22:00 (最終入場21:30)
らかんの湯 日帰り入浴 利用時間 (予約制/定員制)
第1部:15:00-17:30 (男女各10名)
第2部:17:30-20:00 (男女各10名)
* アート展は11:00-22:00の間で入場可
* らかんの湯の利用時間は変更になる場合あり
休館日:なし
料金:アート展 チケット 中学生以上 700円 / 小学生 400円 / 未就学児(6歳以下)無料
・料金に含まれるもの:アート展への入場
・メンテナンスの関係で一部の作品を体験できない場合あり
・展示内容が変わる場合あり
・公式チケットサイトは会場で購入。
■らかんの湯+アート展 セットチケット (予約制/定員制)
大人 4,500円
料金に含まれるもの:アート展への入場、らかんの湯 日帰り入浴、EN TEA HOUSE 応灯楼でのワンドリンク「月茶」(入浴後)
・中学生以下は、らかんの湯 日帰り入浴は利用不可。
・同性4名以上のグループでの利用不可。
・料金は変更になる場合があり。
・公式チケットサイト、またはお電話(御船山楽園ホテル 0954-23-3131)でご予約ください。
その他詳しい情報は公式サイトでご確認を
公式サイト 公式チケットサイト

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