静嘉堂文庫美術館 2022年10月 丸の内に移転・オープン

静嘉堂文庫美術館の展示ギャラリー(ホワイエ)完成予想図(竹中工務店提供)

静嘉堂文庫美術館(東京世田谷)の展示ギャラリーが、202210月に東京丸の内にある重要文化財の明治生命館1階に移転・オープンする。合わせて記念展覧会も開かれる。

重要文化財・明治生命館

ガラス天井の広場(ホワイエ)を囲む4つの展示室では、テーマごとに作品を紹介する。展示室の広さは世田谷の旧ギャラリーの約1.5倍になる。

静嘉堂は1892(明治25)年に三菱の創業者である岩崎彌太郎の弟、彌之助(三菱第2代社長)によって創設され、息子の小彌太(同第4代社長)によって拡充された。国宝7件、重要文化財84件を含む、約20万冊の古典籍(漢籍12万冊、和書8万冊)と約6500件の東洋古美術品を所蔵し、私立美術館の中でも屈指の質と量を誇る。

静嘉堂が所蔵する(以下同) 国宝《曜変天目(稲葉天目)》 建窯 南宋時代(12~13世紀)

ギャラリーが移転する明治生命館は1934(昭和9)年に竣工。古典主義様式の傑作として1997(平成9)年に、昭和の建造物としては初めて国の重要文化財に指定された。丸の内とその周辺地区には、西洋近代美術を中心とした展覧会を開催している三菱一号館美術館や、東京ステーションギャラリーなど多くの美術館があるが、さらに新たなスポットが加わることになる。

《粉彩菊蝶図盤》景徳鎮窯 清時代・雍正年間(1723~35)

オープンに合わせた展覧会は「静嘉堂創設130周年・新美術館開館記念 響きあう名宝-曜変・琳派のかがやき」(仮称)で、2022101()1218()を予定している。所蔵する国宝7件すべてと、茶道具、琳派、刀剣、中国書画と工芸などの各ジャンルから名宝が並ぶ。

国宝 手掻包永《太刀 銘 包永》 鎌倉時代(13世紀)

国宝 俵屋宗達筆《源氏物語図屏風 関屋図》江戸時代・寛永8(1631)年

同上《澪標図》

東京世田谷の静嘉堂は、展示ギャラリー移転後も美術品の保管管理・研究閲覧業務、静嘉堂文庫(図書館)の管理業務など継続して行う。

世田谷区岡本の静嘉堂文庫

 

(読売新聞事業局美術展ナビ編集班)