モネの見た夕暮れの光を再現 特別企画「マジック・アワー ~モネと歩く夕暮れ~」 ポーラ美術館で1日5回、各3分間限定 12月25日まで

夕暮れ時の照明を受けた《セーヌ河の日没、冬》 1880年 油彩/カンヴァス ポーラ美術館蔵

「自然光に限りなく近い質の光で空間を満たす」をコンセプトに、ポーラ美術館(箱根)で開催されている「モネー光のなかに」展の関連イベントとして、期間を限定して「夕暮れ時」の照明でモネの作品を鑑賞できる特別企画「マジック・アワー ~モネと歩く夕暮れ~」が12月1日、始まった。

《睡蓮の池》などの作品も夕暮れの光の下で違った表情をみせる Photo:© Gottingham

「モネー光のなかに」展は今年4月17日に開幕し、来年3月30日(日)までの開催。建築家の中山英之さんが会場構成を手掛け、戸外にカンヴァスを持ち出して描かれたモネの作品を鑑賞する上で、理想的な環境づくりを目指した。LED照明やテント地、トタン板などを利用し、まるで空の下で作品を見ているかのような展示空間を作り上げた。会場ではポーラ美術館が誇るモネのコレクションのうち、《ルーアン大聖堂》(1892年)、《睡蓮の池》(1899年)、《サルーテ運河》(1908年)など11点を展示している。

天井、壁、照明、床と随所に工夫を凝らした展示会場(撮影:中山英之建築設計事務所)

同展では通常、モネが終の住処を構えたパリ郊外・ジヴェルニーの朝9時ごろの明るさを再現している。LED照明の操作で、様々な明るさを設定できることから、今回は時間を区切って展示室全体を暖かく柔らかな「夕暮れ時の光」で彩ることにした。期間は12月25日(土)まで。12時から16時までの毎時00分の1日5回、各3分間だけ照明を「夕暮れ時」に切り替える。展示中の作品のうち、《セーヌ河の日没、冬》(1880年)、《エトルタの夕焼け》(1885年)、《国会議事堂、バラ色のシンフォニー》(1900年)、《ルーアン大聖堂》(1892年)などは夕刻に描かれたことがはっきりしている。これらは特に照明の変化で大きく見え方が変わる。

通常照明の《セーヌ河の日没、冬》1880年 油彩/カンヴァス ポーラ美術館

光の具合によって海岸線や川面、空の表情が劇的に変化して驚く。文字通り「マジック・アワー」を味わうことできる。モネがこの光の下で描いていたのか、という感慨にも浸れる。

一方、ポーラ美術館の別の展示室では、「水の風景」と題したコレクション展も開催中。こちらにもモネの作品が展示されており、美術館の一般的な照明を受けた作品との見え方を比較することもできる。

「水の風景」展で紹介されているクロード・モネ《バラ色のボート》1890年

ポーラ美術館で今回の企画を担当した小野貴代さんは「空の下にいるかのような展示空間だからこそ実現した、おそらく二度とない機会です。ぜひ美術館に足を運んで実際に体験していただきたいです」と話していた。

「モネー光のなかに」展に合わせて、同館のレストラン・アレイでは展示中の作品をモチーフにしたデザートとドリンクを提供している。

〈デザート〉積みわら

《ジヴェルニーの積みわら》に着想を得たデザート。栗のモンブランにピスタチオのアイスクリームを添えた。単品1200円(税込)、コーヒーまたは紅茶付き1650円(税込)

〈ドリンク〉ル・ソワール

モネ《ルーアン大聖堂》にヒントをえて、夕暮れ(フランス語:Le Soir)のルーアン大聖堂の色彩をイメージ。グレープフルーツ、マンゴーなどによるトロピカルなドリンク。700円(税込)

鑑賞に疲れたらこうした作品にちなんだデザートやドリンクはいかが。

(読売新聞美術展ナビ編集班 岡部匡志)

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