【プレビュー】 企画展「季節をめぐり、自然と遊ぶ~花鳥・山水の世界~」 大倉集古館(東京・港区)で1月18日開幕

《清朝名人便面集珍》のうち「梅椿に白頭翁図」 中国明~清時代・16~19世紀 1図(以下、いずれも大倉集古館蔵)

美しい花や鳥、雄大な山岳や河川、変転する天象や地象を造形化した作品の数々。大倉集古館が所蔵する日本や中国、韓国の絵画、書跡、工芸品の優品を通して、季節や時の移ろいとそこに込められた意味や表現方法を探る。「和の世界~春と秋の造形~」と「漢の世界~中国の花鳥・山水~」の2章建て。

企画展「季節をめぐり、自然と遊ぶ~花鳥・山水の世界~」

大倉集古館(東京・港区) 

会  期  1月18日(火)~3月27日(日)

  前 期 1/18~2/20  後期 2/22~3/27 前後期で一部作品の巻替えあり  

開館時間  午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)

休館日   月曜日 (休日の場合は翌平日)

入館料   一般1000円、大学生・高校生800円、中学生以下無料、障がい者手帳、被爆者手帳提示の方と同伴者1人無料

地下鉄南北線・六本木一丁目駅中央改札口より徒歩5分、同日比谷線・神谷町駅より徒歩7分 、同銀座線・溜池山王駅か虎ノ門駅より徒歩10分

◆ギャラリートークも開催 担当学芸員による展示室での解説

125()28()222()31()315()いずれも午後2時から

事前申し込み制 先着順 ※満員でも距離をとった場所で聞くことは可。

詳しくは同館ホームページ

第1章 和の世界~春と秋の造形~

第1章では和歌や物語を背景とした「和」の世界を取り上げる。日本人の季節感の原型は平安時代にできたと言われる。和歌に詠われた季節の景色は、年中行事や名所、物語などと結びつき、「型」や「寓意」を与えられて、様々な表現を獲得していく。この章では春の桜と秋の草花を取り上げた作品を中心に展示する。

《吉野山蒔絵五重硯箱》江戸時代~明治・19世紀、1具

春-桜を愛でる  「山」と「桜」が表される作品で、桜の名所として知られる「吉野山の桜」を指す。桜の生命力に松の永遠性を併せ持つめでたい作品。

《秋草蒔絵文台》 富田幸七作 明治・19~20世紀、1基

秋―吉祥と豊かさの造形  菊は薬草でもあり長寿を意味する護符的な文様で表す。菊や萩、女郎花を蒔絵した艶やかな作品で、豊臣秀吉の遺愛品(京都・妙法院蔵)を模したもの。

《琵琶》江戸時代・18~19世紀、1面

秋-悲哀の季節  秋を「悲しみの季節」と位置付けたのは漢詩の影響だと言われる。秋草は繊細な姿から儚さやもろさを表現するモチーフだった。また、鹿は秋に繁殖期を迎え牡鹿が牝鹿を求めて哀切な声で鳴くことから、「万葉集」以来、秋の景物とされる。

第2章 漢の世界~中国の花鳥・山水~

水墨画や漢詩の作品を中心とした「漢」の世界の花鳥・山水を展示。中国では美しい花鳥や雄大な山水画も、背景に儒教を土台とした価値観や古典の教養が隠されている。蘭や梅、花鳥図、山水図などの美しい自然描写に隠された中国由来の意味や描写を見ていく。

《墨蘭図》玉畹梵芳筆、室町時代・15世紀、1幅

東洋蘭の世界 水墨で描かれる蘭は東洋蘭で、中国宋時代以降、文人士大夫の理想像が投影され愛好されるようになる。姿が見えなくても香りを漂わせることから、世に隠れた高節の士の表象などとされた。

《寒光雪峰図》菅井梅関筆、江戸時代・文政12年(1829)、1幅

山水に季節を観る  堂々とした山岳は皇帝の存在に結び付けられ、主峰は皇帝の象徴とされる。主峰の下に描かれた人々の姿は、皇帝のもとに集う官僚(士大夫)の姿が描かれる。一方、老荘思想や古来の神仙思想の影響で、山水の場は世俗を脱して隠れ住む場所のイメージもある。中国の文人士大夫は各地を旅行して美しい山水を見て、無為自然の老荘思想を体感した。

《瀟湘八景図》狩野探幽筆、江戸時代・寛文5年(1665)、1幅

光と大気を表現する  中国の「風景」は大気の様子や光のことを指す。中国・湖南省の洞庭湖の南、瀟水と湘水が合流するあたりは古くから名勝として知られ、この場所の八つの風景を取り上げたものを瀟湘八景と呼んだ。八景は特定の場所というより、季節や特定の時間の気象の変化の魅力を表現した。

 

(読売新聞事業局美術展ナビ編集班)

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