【次回のぶら美】ニッポンの再発見 「令和」も公文書!&「民藝の100年」の歩み 国立公文書館と東京国立近代美術館 11月30日放送

【BS日テレ  ぶらぶら美術・博物館】

★第392回 ニッポン再発見!国立公文書館&東京国立近代美術館 「民藝の100年」
~「令和」の書も公文書!?普段づかいの品がアートに?「民藝」誕生の秘密~

★11月30日(火)よる8時放送 番組ホームページ

まず千代田区の北の丸公園内にある国立公文書館を訪ねました。普段の暮らしには縁遠い「公文書」ですが、「日本国憲法」や「サンフランシスコ平和条約」「普通選挙法」など、学校の教科書で習ったものから、新元号発表の際、官房長官が掲げた「令和」と書かれた墨書も実は「公文書」です。がぜん、興味がわいてきます。

国立公文書館には、そうした重要な公文書が約156万冊も保管されています。所蔵されている公文書は、館内やインターネットで閲覧できるほか、無料の展示会などで公開されています。今回は「日本のあゆみ」という常設展示を見学。「令和の書」「二・二六事件」「終戦の詔書」「日本国憲法」などの公文書から、歴史の舞台裏を伺い知ることができます。

続いて、国立公文書館のお隣にある東京国立近代美術館へ。現在、「柳宗悦没後60年記念展 民藝の100年」が開催されています。思想家・柳宗悦らが、それまで下手物(ゲテモノ)と呼ばれていた普段使いの雑器のことを「民藝」と名づけておよそ100年。柳を筆頭に、陶芸家の濱田庄司、河井寬次郎、そして白樺派の若者たちが賛同、名もなき工人が作った日用品に美を見出し、光を当てていったのが「民藝運動」です。ところが会場に入ると、最初に展示されているのはロダンのブロンズ像です。このロダンの像が「民藝運動」の大きなきっかけになったのです。どういうことでしょうか?

日本各地の民藝を訪ね歩いて良いものを発掘したり、時代にあった新作民藝の商品開発をしたり、今では当たり前になった民藝品のセレクトショップを開設したり。ワークウェアとして作務衣が定着したのも、今も居酒屋に囲炉裏があるのも、実は「民藝」の影響なのだとか。今日まで脈々と繋がる「民藝運動」の遺したもの、偉業をご紹介します。日本各地の味わい深い食器や家具などがずらりと並ぶ展覧会。民藝ファンは必見です。

(読売新聞美術展ナビ編集班 岡部匡志)