【開幕】デザインから生まれる喜び 「つくる・つながる・ポール・コックス展」(東京・板橋区立美術館)

フランスを中心に世界で活躍するポール・コックスの個展「つくる・つながる・ポール・コックス展」が、板橋区立美術館で開幕した。


ポール・コックス(1959~)は、絵画、グラフィックデザイン、舞台美術をはじめ、多くの分野で活躍している。日本でも広告や絵本などの仕事を通して幅広いファンがいて、人気も高い。その鮮やかな色使いと軽やかな線が親しみを感じさせる一方で、豊かな読書に基づく教養と、知的な遊び心にも満ちている。ルミネ、キリンビール、JR東日本など大手企業の広告のためのイラストで目にしたことがある人も多いのではないだろうか。


同館と作家との関係は、2006年にイラストレーター向けのワークショップ「夏のアトリエ」の講師として招聘したことに始まる。15年におよぶ交流から、コロナ禍という苦難も乗り越え、本展が実現することとなった。


本展は、近年取り組んでいる風景画の連作、劇場ポスターなどのグラフィックデザイン、さらには絵本の仕事を含め、多数の作品や資料を展示。巨大な風景画や、ひらがなをテーマにした参加型のインスタレーションなど、本展のための新作も楽しめる。子どもも大人も、ワクワクするような創作意欲を喚起させる空間が広がる。
会期は2022年1月10日(月・祝)まで。