【開幕】企画展「柚木沙弥郎 life・LIFE」、PLAY! MUSEUM(東京・立川)で

企画展示「柚木沙弥郎 life・LIFE」 |
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会場:PLAY! MUSEUM(東京都立川市緑町3ー1 GREEN SPRINGS W3)JR立川駅北口・多摩モノレール立川北駅北口より徒歩10分 |
会期:2021年11月20日(土)~2022年1月30日(日) |
休館日:会期中無休(ただし12月31日、1月1日、2日は休み) |
開館時間:午前10時~午後6時(平日は午後5時まで。入場は閉館の30分前まで) |
入場料:一般1500円、大学生1000円、高校生800円、中・小学生500円、未就学児無料 |
詳しくは同館HP |
染色家でアーティストの柚木沙弥郎(ゆのき・さみろう)さんは、99歳の現在も旺盛な創作活動を続けています。今回の展覧会では「life・LIFE」、すなわち「くらし」と「人生」をテーマにしています。コロナ禍の時代に、柚木さんの作品に触れてどのように暮らしを豊かに彩るのか、いかに人生を大切に生きるべきかを見る人に問いかけます。内覧会に伺ってきました。



最初のコーナーは「絵のみち」。柚木さんは70歳を超えてから絵本づくりに取り組み始めました。ストーリーを説明するような絵ではなく、身体感覚を刺激して気持ちを活性化するような動きのある絵が特徴です。

宮沢賢治の「雨ニモマケズ」では、光あふれる開放的な絵で賢治の世界を描いています。

染色の型染めの手法を使って作ったポスターは独特の力強さと味わいがあります。


最大の見どころは、約50点の色とりどりの大きな布を上から吊って展示した「布の森」のコーナー。これまでの膨大な作品を動物や人、海や河川、幾何学模様など似たテーストごとに集めて展示しています。地面には白い石を敷き詰めています。布は壁に並べる展示が普通ですが、糸の間から透ける木漏れ日のような光を感じたり、来場者が巻き起こす風で揺らぐ変化も新鮮です。

「幕」は1960年代初期に作られた大作。中央には、奥さんが縫ってつないだ2本のステッチが入っています。

廊下には柚木さんのアトリエのキャビネットの中に詰まっていたモノを借りてきて、ほぼ同じ置き方で再現しています。日常で使うモノを作っていた人だけに、大好きなモノを見ることで作品や人柄を理解する鍵にもなりそうです。


グッズコーナーでは、描き下ろしの絵や絵本原画をあしらった皿やポーチなど、日常に使える品がそろっています。家でも柚木さんの作品に触れる喜びが続きそうです。(読売新聞美術展ナビ編集班 若水浩)