「関東大震災映像デジタルアーカイブ」 第2弾を公開 火災や強風、避難民など記録

国立映画アーカイブ(東京・京橋)と国立情報学研究所(東京・一ツ橋)は、共同で開発した「関東大震災映像デジタルアーカイブ」の第2弾作品を公開した。視聴はこちらの「関東大震災映像デジタルアーカイブ」から。


今回の作品は1923年に制作された『関東大震災』[返還映画版]といい、サイレント・白黒の13分のもの。前半は上野界隈や浅草凌雲閣(12階建て)などが登場。激しい火炎が強風に煽られている様子や、街頭や線路上を避難民が埋め尽くす場面が記録されており、地震発生間もない時刻に撮影されたと思われる。鎮火後に撮影されたとみられる後半では、焦土と化した各地の光景が次々と紹介されている。
1967年に米議会図書館と国との間で締結された協定により、占領期の日本や戦時中の米日系人コミュニティより没収された戦前の日本映画約1300本の収集が行われた。これらの作品を「返還映画」と総称しており、今作もそのひとつ。


「関東大震災映像デジタルアーカイブ」は今年9月1日にスタート。「撮影場所」「シーン(写されている事象)」で分類された「クリップ」と呼ばれる単位での検索、閲覧が可能。サイト開設時には長編記録映画『關東大震大火實況』の全編を公開している。大震災の発生から100年にあたる2023年9月1日までに、2年をかけて国立映画アーカイブで所蔵している大震災関連の全ての映画フィルムについて公開することを目指している。
(読売新聞美術展ナビ編集班 岡部匡志)
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