【関西版】11月に見られる関西の美術館・博物館の展覧会を紹介

11月に始まる関西の美術展や展覧会から、美術展ナビ関西の担当者が注目の展覧会をピックアップしました。話題の大型展から見逃せない名品が並ぶ美術展まで、幅広く、各館のSNSなどとともに紹介します。9~10月に開幕した展覧会も末尾に紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください!

メトロポリタン美術館展 大阪市立美術館

世界屈指のミュージアム、ニューヨーク・メトロポリタン美術館から、カラヴァッジョやフェルメール、モネ、ドガ、そしてセザンヌなど、圧巻のラインナップの西洋画が来日。選りすぐりのヨーロッパの名画65点のうち、46点は日本初公開となります。大阪市立美術館で1113日から来年116日まで。その後、東京(国立新美術館)にも巡回します。

【プレビュー】巨匠の大作、一挙来日「メトロポリタン美術館展 西洋絵画の500年」 大阪市立美術館で11月13日開幕、国立新美術館では来年2月9日から

 

上野リチ:ウィーンからきたデザイン・ファンタジー 京都国立近代美術館

ウィーンと京都を舞台に幅広く活躍した女性デザイナー「上野リチ:ウィーンから来たデザイン・ファンタジー」展が1116日、京都国立近代美術館で開幕。約370件の作品や資料から色彩豊かで創造力あふれるリチの魅力あるデザイン世界の全貌を紹介します、世界初の大規模回顧展。来年2月には東京・三菱一号館美術館でも開催されます。

上野リチ:ウィーンからきたデザイン・ファンタジー(京都展)

【プレビュー】――海を渡った女性デザイナー 世界初の大規模回顧展 「上野リチ:ウィーンから来たデザイン・ファンタジー」 三菱一号館美術館で来年2月開幕

 

コレクター福富太郎の眼 あべのハルカス美術館

近代日本絵画の屈指のコレクターでもあった実業家・福富太郎(19312018)のたぐいまれなコレクションを展示する「コレクター福富太郎の眼 昭和の名実業家が愛した珠玉のコレクション」が、1120日から来年116日まであべのハルカス美術館で開催されます。鏑木清方や北野恒富に代表される東西画家の美人画をはじめ、時代を映す黎明期の洋画から戦争画に至るまで、コレクションの魅力を約80点の作品をとおして紹介します。

コレクター福富太郎の眼 昭和の名実業家が愛した珠玉のコレクション(大阪展)

 

上村松篁展 松伯美術館

日本画家・上村松園の長男として京都に生まれ、近現代の京都画壇において格調高い花鳥画を描き続けた上村松篁(19022001)の「美の構成」に迫る「上村松篁展」が、112日から松伯美術館(奈良市)にて開催されています。会期は来年26日まで。松篁が50年間も胸の中で温めていたモチーフである、火炎木と印度孔雀とスコールを描いた70歳時の代表作「燦雨」の本画をはじめ、作品の制作過程を知ることのできる下絵や素描をあわせて展示しています。

上村松篁展 「美の構成」に触れる

 

古代エジプト展 兵庫県立美術館

世界屈指の古代エジプト・コレクションを誇るオランダのライデン国立古代博物館の、約25,000点にのぼる所蔵品から厳選した、ミイラや副葬品を含む約250点を展示する「ライデン国立古代博物館所蔵 古代エジプト展」が、兵庫県立美術館で1120日から開催されます。近代人を魅了した遺跡発掘から、CTスキャンを駆使し、現代科学の粋によって解明するミイラの生前の様子など、ライデン国立古代博物館の全面的な支援のもと、古代エジプト文明の魅力を様々な視点から紹介します。

ライデン国立古代博物館所蔵 古代エジプト展

 

9~10月に開幕した展覧会

正倉院展 奈良国立博物館

73回正倉院展が1030日から奈良国立博物館で始まりました。会期は1115日まで。感染症予防対策のため前売りのみです。当日券はありませんので、お早めに予約を。

【開幕】「正倉院展」奈良国立博物館で1115日まで 天平の輝きをこの目で

 

特別展「畠山記念館の名品」 京都国立博物館

施設改築工事のため休館している畠山記念館の「與衆愛玩」という即翁の理想を分かち合うために、関西の地において初めて200件をこえるコレクションを紹介する特別展「畠山記念館の名品─能楽から茶の湯、そして琳派─」が京都国立博物館にて125日まで開催されています。

特別展 畠山記念館の名品─能楽から茶の湯、そして琳派─

 

フィンレイソン展 京都文化博物館

1820年に創業したフィンランド最古のテキスタイルブランド「フィンレイソン」の、創業から200年の歴史を振り返りながら人気のデザインの魅力を多数の原画で紹介する「創業200周年記念 フィンレイソン展フィンランドの暮らしに愛され続けたテキスタイル」が京都文化博物館で来年110日まで開催されています。

【レビュー】「創業200周年記念 フィンレイソン展」(京都文化博物館)北欧フィンランドのデザインの世界へ没入

 

特別展「虫めづる日本の美-養老孟司×細見コレクション-」 細見美術館

無類の昆虫愛好家、昆虫学者としても知られる解剖学者の養老孟司が、細見コレクションから選ぶ、虫を表した絵画・工芸作品約60点を紹介する特別展「虫めづる日本の美-養老孟司×細見コレクション-」が、1029日から来年123日まで細見美術館にて開催されています。写実の精緻を極めた伊藤若冲の「糸瓜群虫図」、宝石のような虫たちが鏤められた蒔絵の小箱など、みずみずしい好奇心にあふれる虫博士の眼が出会った、日本の美に息づく儚くも美しき生命をご覧ください。

特別展 虫めづる日本の美-養老孟司×細見コレクション-

 

特別展「ミネアポリス美術館」 MIHO MUSEUM

屈指の日本美術コレクションを所蔵するミネアポリス美術館。同館が誇る日本絵画の全貌を選りすぐりの優品で紹介する特別展「ミネアポリス美術館 日本絵画の名品」が1212日までMIHO MUSEUMで開催されています。

秋季特別展「ミネアポリス美術館 日本絵画の名品」(滋賀展)

 

特別展「天之美禄 酒の美術」 大和文華館

酒の場で用いられた趣向を凝らした酒器や宴を描く絵画など、酒にまつわる多様な美術作品によって、古代から近世の東アジアにおける酒の文化を紐解く特別展「天之美禄 酒の美術」が1114日まで大和文華館で開催されています。

特別展 天之美禄(てんのびろく) 酒の美術

 

躍動するインド世界の布 国立民族学博物館

インド社会をつくりだしている人びとの営みを多彩な布とともに紹介する「躍動するインド世界の布」が国立民族学博物館にて来年125日まで開催されています。本展では、場をくぎり、人をつなぎ、神と人の媒介となり、政治をうごかし、グローバル経済をうみだすインド世界の布の現場に光をあて、グローバル化が進む現代インドの社会や文化の持続と変容の動態をひもときます。

躍動するインド世界の布

 

横尾忠則の恐怖の館 横尾忠則現代美術館

横尾の多彩な作品を通じて「芸術」と「恐怖」との関係性について考察する「横尾忠則の恐怖の館」が来年227日まで横尾忠則現代美術館にて開催されています。

横尾忠則の恐怖の館

 

(読売新聞大阪本社文化事業部)

美術展ナビ関西のツイッターアカウントもぜひフォローしてください。

 

あわせて読みたい

【全国版】11月に始まる全国の美術館・博物館の展覧会を公式SNSとともに紹介