【プレビュー】千四百年御聖忌記念特別展「聖徳太子 日出づる処の天子」 サントリー美術館で11月17日開幕

聖徳太子童形像・六臣像 桃山時代 16世紀 大阪・四天王寺 【全期間展示】

令和4(2022)年、聖徳太子が没して1400年になる。太子は日本に仏教を広めた人物として、高名な僧や貴族から民衆にいたるまで多くの人の信仰の対象となってきた。では太子はどんな人物だったのか。太子が創建した大阪・四天王寺の所蔵品を中心に、全国から国宝9件、重要文化財33件を含む計約140件を集め、4つの章に分けて紹介する。

サントリー美術館 開館60周年記念展 千四百年御聖忌記念特別展「聖徳太子 日出づる処の天子」
会場:サントリー美術館(東京・六本木)
会期:2021年11月17日(水)~2022年1月10日(月・祝)
開館時間:10:00~18:00(金曜・土曜および11月22日(月)、1月9日(日)は10:00~20:00)(※いずれも入館は閉館の30分前まで)
休館日:火曜日(11月23日、1月4日は開館)、12月28日~1月1日
観覧料:一般1500円、大学・高校生1000円
アクセス:東京メトロ・都営地下鉄大江戸線「六本木」駅より直結、東京メトロ千代田線「乃木坂」駅より徒歩3分
詳しくは展覧会公式ホームページ

第1章 聖徳太子の生涯 太子の面影を追って

重要文化財 聖徳太子絵伝 第2幅(部分) 遠江法橋筆 鎌倉時代 元亨3年(1323)  大阪・四天王寺 画像提供:奈良国立博物館 【展示期間:11月17日~12月13日】左上に11歳の時、童子と遊び、言葉の復唱、跳躍、相撲などで抜きん出た才能を見せた場面が、左下には13歳で百済からもたらされた弥勒石像を礼拝する様子が描かれている。

中世、太子の事績を描いた多くの絵伝が制作された。全幅合わせると10メートルを超えるものもある。代表的な絵伝を複数展示、太子の生涯を詳しく紹介する。

第2章 聖徳太子信仰の広がり 宗派を超えて崇敬される太子

聖徳太子二歳像(南無仏太子像) 鎌倉時代 13~14世紀 京都・白毫寺 画像提供:神奈川県立金沢文庫 撮影:野久保昌良【全期間展示】 2歳の聖徳太子は東を向き「南無仏」と唱えたという

太子は日本に仏教を広めた人物として、没後すぐに信仰の対象となった。天台宗の最澄、浄土真宗の親鸞、時宗の一遍などそれぞれの宗派の開祖からも尊ばれた。こうした太子信仰の中で二歳像や十六歳像など特定の年齢の姿を表した像や絵なども生まれた。多様な太子像の全貌と各宗派の太子信仰の広がりを紹介する。

重要文化財 聖徳太子童形立像(孝養像) 鎌倉時代 14世紀 茨城・善重寺 画像提供 : 神奈川県立金沢文庫 撮影 : 井上久美子 【全期間展示】

第3章 大阪・四天王寺の1400年 太子が建立した大寺のあゆみ

国宝 扇面法華経冊子 巻第1 平安時代 12世紀 大阪・四天王寺 【展示期間:12/1〜12/13】

四天王寺は推古天皇元年(593)、太子が建立した日本最古の官寺。太子の遺徳を広める活動を続けて来た。戦火や災害などにより何度か伽藍が失われたが、人々の太子への信仰により再興を果たしてきた。同寺に伝わる国宝を始めとする名品とともに同寺の1400年を伝える。

国宝 四天王寺縁起(後醍醐天皇宸翰本) 南北朝時代 建武2年(1335) 大阪・四天王寺 【展示期間:12/15〜1/10】 四天王寺の由来などを記した縁起を後醍醐天皇が写し、自らの手印を押した。

第4章 近代以降の聖徳太子のイメージ…そして未来へ つながる祈り

明治以降は国家の基礎を築いた政治家としての側面がクローズアップされた。山岸凉子作の「日出処の天子」など太子を主人公としたマンガも人気を博し、より身近な存在となった。近代以降の太子のイメージの変遷をたどる。

聖徳太子童形半跏像 令和3年(2021) 大阪・四天王寺 【全期間展示】
日出処の天子〈完全版〉第2巻 PP.192-193 ©山岸凉子/KADOKAWA  【展示期間:11/17~12/13】

(読売新聞美術展ナビ編集班)

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