【開幕レビュー】「鬼滅の刃 吾峠呼世晴原画展」 原画450点以上が六本木ヒルズに全集中!驚きの内容の描き下ろしも

©️吾峠呼世晴/集英社

「鬼滅の刃 吾峠呼世晴原画展」が10月26日(火)から東京・六本木ヒルズの森アーツセンターギャラリーで始まった。12月12日(日)まで開催される本展は、漫画『鬼滅の刃』の作者・吾峠呼世晴氏の直筆原画450点以上を展示する初の原画展だ。場内は各章のテーマに合わせてデザインされた壁面のほか、作品の世界観が感じられる立体造形、鬼殺隊と鬼の決戦の舞台「無限城」を再現した空間演出などファン垂涎の展示が満載。さらに、ここでしか見られない吾峠氏描き下ろしの超貴重イラストも初公開されている。ここではプレス内覧会の様子とともに本展の主な見どころを紹介していこう。

炭治郎と禰󠄀豆子の大型立像が迎えてくれる

漫画『鬼滅の刃』の直筆原画450点以上を作者・吾峠呼世晴氏の監修によるチョイスで展示している本展。会場案内のある入場口では、本作の主人公である竈門炭治郎とその妹の禰󠄀豆子、炭治郎の仲間であり親友である我妻善逸、嘴平伊之助のイラストパネルが来場者を迎えてくれる。

©️吾峠呼世晴/集英社

会場は序章、特別章、終章を含めて全9章で構成されている。「【序章】 煌 〜不滅への旅立ち〜」では、コミックス全23巻の表紙を大型パネルで展示。その中央には本展の開催を記念する「0巻」として、吾峠氏が連載開始前に描いたイラストを元に造られた炭治郎と禰󠄀豆子の立像がある。

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表紙には各巻のストーリーで中心的な役割をなす登場人物が描かれており、作品を読み終えたファンは、まずここで彼らとの“再会”を果たすことになる。なお、場内は撮影不可となっているが、このエリアは撮影可能なので、ぜひ竈門兄妹との記念写真を思い出に残しておこう。

炭治郎、善逸、伊之助らの名場面が原画と名台詞で蘇る

「【壱ノ章】絆 〜兄と妹、そして仲間たち〜」は、炭治郎と禰󠄀豆子、そして炭治郎と「鬼殺隊」で同期となる善逸、伊之助、そして栗花落カナヲ、不死川玄弥の名シーンを中心とした内容だ。ます導入では、炭治郎が鬼殺隊を目指すことになる原点であり、第1話にして読者の心をグッと掴んだ雪山でのシーンがフィーチャーされている。

©️吾峠呼世晴/集英社

さすがに作者自身が監修しているだけあって、最初の炭治郎の展示からしてファンの心を突くシーンの連続だ。水の呼吸・拾の型「生生流転」を放つ勇ましい姿、家族の仇である鬼の頭領・鬼舞辻無惨との遭遇、そして悪を斬るヒノカミ神楽の一閃…。数々の心震える場面が炭治郎の真っ直ぐなセリフとともに蘇り、見ている側の胸を打つ。

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禰󠄀豆子のエリアは彼女の鬼化した強さだけでなく、可愛さや優しさも伝わってくる構成だ。口に竹をくわえて木の箱からひょこっと出てくる1コマは、まさに“萌え”の一言。対して、自らの身を犠牲にしながら兄や仲間を助けようとする姿に連載時のハラハラとした感情を思い出す人も多いはず。同様に他のキャラクターも吾峠氏の力強く、時にコミカルな筆致による名場面が続いていく。

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その一方で、本展では壁面のデザインにも着目してほしい。一撃必殺技である「霹靂一閃」を放つ善逸、「弱気なこと言ってんじゃねぇ‼︎」と熱く仲間を鼓舞する伊之助、無口だが芯の強さを感じさせるカナヲなど、各キャラの勇姿を壁面いっぱい活かしてあしらった空間も原画と同じくらいの見応えがある。また、下部に帯状に配置された「百面相」も忘れずにチェックしたいポイントだ。

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柱の剣士 vs 上弦の鬼、強者たちの競演を見逃すな!

「【弍ノ章】鬼 〜人の果て、悲しみの果て〜」は、鬼の王たる鬼舞辻無惨と、鬼の中でもトップクラスの実力を誇る「上弦の鬼」を中心とした展示だ。本章の入り口に立つと正面には人の姿をした無惨の姿が。きっと多くの人が心の中で「無惨さまぁ…」とつぶやいてしまう瞬間かもしれない。

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室内に立つモノリスには、黒死牟、童磨、猗窩座ら上弦の鬼たちの「残酷で冷血な鬼の姿」と「人だった過去」が対比して紹介されている。やはり我々に先立つのは、人を喰う鬼への恐怖だ。展示された原画には炭治郎ら鬼殺隊の面々と鬼たちの激闘の記録が描かれている。「鬼ならないなら殺す」と言って煉獄杏寿郎の命を奪っていった猗窩座のように、無惨が従える鬼たちは絶対的に冷酷無血な存在だ。

ただ、その一方で、恐怖の化身でしかない鬼たちにも血の通った人間だった頃があり、敵の過去にも哀しい物語がある。そうした悪の裏側を描いていることも本作の魅力になっていることを、この空間で改めて認識させられる。

鬼殺隊と鬼たちの最終決戦の舞台となる無限城を再現した「【特別章】陰−無限城顕現 」、鬼殺隊の“お館様”こと産屋敷耀哉と鬼舞辻無惨との宿命をテーマにした「【特別章】光−不滅」に続き、「【参ノ章】柱 〜絶対なるその呼吸〜」では鬼殺隊が誇る9名の剣士「柱」の世界が展開される。

©️吾峠呼世晴/集英社

炎柱・煉獄杏寿郎、音柱・宇髄天元、蛇柱・伊黒小芭内、恋柱・甘露寺蜜璃、霞柱・時透無一郎、風柱・不死川実弥、岩柱・悲鳴嶼行冥、蟲柱・胡蝶しのぶ、水柱・冨岡義勇。いずれも上弦の鬼と匹敵する実力を持つ剣士たちだ。
ここでは豪快な効果音文字とともに飛び出す、各柱の必殺技を再現した立体造形も見どころとなる。例えば、煉獄の場面では奥義・玖ノ型 煉獄が頭上の壁を貫き、伊黒の場面では大蛇の鏑丸が表され、胡蝶の場面では無数の蝶が舞うなど、個性豊かな技が炸裂している。

©️吾峠呼世晴/集英社
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もちろん原画も名場面が満載だ。特に「胸を張って生きろ」と炭治郎たちに言葉を授ける“煉獄さん”の最期や、炭治郎を鬼殺隊に導く冨岡の知られざる過去は涙無くして語れない名シーンだ。

熾烈な最終決戦、果たしてその先に待つ結末は…

そして「命の大灯籠」を中心とした空間に、母、家族、恩人など炭治郎らの支えになった人々の思いを集めた「【肆ノ章】繋 〜全てを懸けて」を経て、展示はいよいよ終盤へと向かう。
「【伍ノ章】刻〜千年の夜明け〜」では、鬼殺隊と無惨との最終決戦を振り返る。無限城、そして闇夜の中で繰り広げられる壮絶な闘い。ラストに向かうに連れて作者の筆が白熱さを帯びてくるのが見ている側にも伝わる。

「折れるな、負けるな、心を燃やせ」と、煉獄さんの言葉を胸に無惨と刀を交わす炭治郎。多くの人物が傷付き、あるいは散っていく姿は、作品を愛する人ほど直視し難いところがあるかもしれない。ただ、雌雄を決し、闇夜を超えた先には、きっと明るい未来が待っている。そして「【終章】継〜幾星霜を越えて〜」では、藤の花が物語の終幕とともに温かい感情を運んできてくれるはずだ。

©️吾峠呼世晴/集英社
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書き下ろしでは本編で明かされなかった驚きの内容が!

なお、本展では、吾峠氏が本展のために描き下ろした初公開イラストの展示コーナーが3か所用意されている。いずれも本編の中では明かされなかった驚きの内容なので、ぜひ会場で実物を確認してほしい。

漫画から読み始めたという人にはもちろん、アニメから見始めたという人にとっても、オリジナルの原画を見るという体験は、作者の吾峠氏が愛すべきキャラクターたちに魂を吹き込んだ足跡を見る、またとない機会になるだろう。(ライター・鈴木翔)

『鬼滅の刃』吾峠呼世晴原画展
会期:2021年10月26日(火)〜12月12日(日) 会期中無休
会場:森アーツセンターギャラリー(東京・六本木)
開館時間:午前10時〜午後8時(最終入場は午後7時30分まで)
入館料:一般/学生 2000円、中学生/高校生 1500円、小学生1000円
※全日日時指定制
東京メトロ日比谷線・六本木駅1C出口から徒歩3分、都営地下鉄・六本木駅3出口から徒歩6分など
詳しくは公式ホームページ(https://kimetsuten.com/)へ
*来年7月14日からは大阪での巡回開催も予定されている

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