【プレビュー】「ムーミン コミックス展」11月19日から、横浜・そごう美術館

展覧会名:ムーミン コミックス展
会場:そごう美術館(横浜市西区高島2-18-1そごう横浜店6階)
会期:2021年11月19日(金)~2022年1月10日(月・祝)
休館日:会期中無休
開館時間:午前10時~午後8時(12月31日は午後6時閉館、1月1日は午前9時~午後7時。入館は閉館の30分前まで)
入場料:一般1200円、大学・高校生1000円、中学生以下無料
詳しくは展覧会公式サイト

ムーミン童話の原作者として知られるトーベ・ヤンソン(1914~2001年)と、弟のラルス・ヤンソン(19262000年)が、新聞に連載した漫画「ムーミンコミックス」にまつわる原画や習作、キャラクター設定画など日本初公開の約280点を紹介する展覧会が、1119日から2022年1月10日まで、横浜市のそごう美術館で開かれます。

トーベ・ヤンソン
「まいごの火星人」スケッチB(1957 年)画像は以下すべて🄫Moomin Characters™

ムーミンコミックスは、童話ムーミンの世界をコミカルに、時に社会風刺のエッセンスを加えて表現した漫画です。1947年にフィンランドのスウェーデン語系新聞「ニィ・ティド」紙に掲載されたのが始まり。1954年からは英国の夕刊紙「イブニング・ニューズ」紙に舞台を移し、1975年まで続きました。英国のほか、母国フィンランドやスウェーデン、デンマークなど、最盛期には40か国以上、120紙に転載され、読者は1200万人に上る人気を誇りました。その反響は、オリジナルであるムーミン童話の児童文学シリーズにも及び、トーベの児童文学作家としての国際的な名声を不動にしました。

トーベ・ヤンソン(左)とラルス・ヤンソン

ムーミンコミックスは最初、姉のトーベが制作を始めましたが、途中から弟のラルスが筋書きを担当してトーベと共同制作、最後はラルスが1人で担当しました。

トーベ・ヤンソン「黄金のしっぽ」習作(1958 年)

2人の作風には違いがあります。トーベのムーミンは丸みを帯びた顔と体型で、トーベは画家だけに、ひとコマだけ見ても小説の挿絵のような完成度です。

ラルス・ヤンソン「10 個のブタの貯金箱」原画(1975 年)

一方、ラルスのムーミンは、鼻が少しとがり角張った顔で表情もくっきり。体型も少しスリムです。次のコマへの場面転換が効果的で、漫画的な要素が強くなっています。

 

「夕刊紙を読む大人」が読者のため、1日の疲れを癒すような娯楽性が求められました。季節感を意識しながら、時事ネタや社会風刺などがユーモアをまじえて小気味よく展開されています。新聞連載の性質上、掲載当日1回分でも楽しく、さらに次回も読みたくなるという構成になっています。

紙質の良くない新聞にきれいに印刷するために単純な線となっていた部分が、直筆のスケッチでは豊かな描線で描かれている点なども見どころです。

(読売新聞事業局美術展ナビ編集班 若水浩)

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