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【プレビュー】 東洋と西洋の出会い「めぐるアール・ヌーヴォー展 モードのなかの日本工芸とデザイン」 国立工芸館(金沢市出羽町)で12月25日開幕

アルフォンス・ミュシャ 《サラ・ベルナール》1896年  東京国立近代美術館蔵

フランス語で「新しい芸術」を意味するアール・ヌーヴォーは、19世紀末から20世紀初頭にかけて広くヨーロッパで流行するが、誕生に大きな影響を与えたのが日本の美術だ。そのアール・ヌーヴォーを今度は日本が最先端の美術として受け入れる。この芸術の「還流」=「めぐる」をキーワードに、アール・ヌーヴォーを代表するアンリ・ヴァン・ド・ヴェルド(1863-1957)やアルフォンス・ミュシャ(1860-1939)、その表現方法を取り入れた日本の初代宮川香山(1842-1916)、杉浦非水(1876-1965)らの作品を紹介する。作品数は京都国立近代美術館所蔵のものも含め約150点に及ぶ。

「めぐるアール・ヌーヴォー展 モードのなかの日本工芸とデザイン」 

国立工芸館(金沢市出羽町)

会  期   12月25日(土)~2022年3月21日(月・祝)

       会期中、一部展示替えあり。

開館時間   午前9時30分~午後5時30分(入館は午後5時まで)

休館日    月曜日(1月10日、3月21日は開館)、年末年始(12月27日~1月1日)、1月11日(火)

入館料    一般300円ほか  高校生以下、18歳未満、65歳以上、障害者手帳のある方(付添者1人)は無料  オンラインによる事前予約制。当日券も若干あり

JR金沢駅兼六園口よりバス 「広坂・21世紀美術館」、「出羽町」下車ともに徒歩7~9分

詳しくは同館ホームページ

1.日本のインパクトと〈新しい芸術アール・ヌーヴォー〉の誕生

アンリ・ヴァン・ド・ヴェルド  《トロポン》 1898年頃  東京国立近代美術館蔵

 

初代宮川香山 《色入菖蒲図花瓶》1897-1912年頃 東京国立近代美術館蔵 
撮影:アローアートワークス©2006

 

19世紀後半、日本の浮世絵や工芸品を見たヨーロッパの人々は、従来の美術の見方を変えるほどの衝撃を受ける。新しい芸術表現を模索する人々にとって、日本美術はよりどころとなる。そうした時代に育まれた新しい芸術=アール・ヌーヴォーの代表的な作家であるアンリ・ヴァン・ド・ヴェルド、アルフォンス・ミュシャ、エミール・ガレ、ルネ・ラリックや、その流行に素早く反応した初代宮川香山、二代横山彌左衛門、大島如雲らの作品を展示する。

2.アール・ヌーヴォーの先へ、図案家たちが目指したもの

杉浦非水 《三越呉服店 新館落成》 1914年 東京国立近代美術館
撮影:アローアートワークス©2000

 

1900年前後の日本の画家や図案家たちは、印刷物やパリの街、博覧会場の様子を見聞きすることでアール・ヌーヴォーと出会う。日本のアール・ヌーヴォー受容において重要な役割を果たした杉浦非水、当時のヨーロッパに滞在した浅井忠、神坂雪佳らに注目。日本の図案家や工芸家がアール・ヌーヴォーから何を取り入れ、その先に何を目指したかを探る。

四代清水六兵衞 《萱艸模様螺鈿応用花瓶》 1913年頃 京都国立近代美術館蔵

3.季節がめぐる工芸、自然が律動するデザイン

板谷波山 《葆光彩磁牡丹文様花瓶》 1922年 東京国立近代美術館蔵
撮影:エス・アンド・ティ フォト ©2018

 

ジャポニスムの立役者の一人は「自然」こそが日本の美術の師であると称えた。日本の工芸は、身近な草花や小さな虫にまで眼差しを注いできた。日本の装飾芸術の誇るべき特質として、めぐる季節の中で培われてきた自然に寄り添う姿勢を、工芸家たちのさまざまな表現を通して見ていく。

森口華弘 《駒織縮緬地友禅訪問着 早流》 1961年 東京国立近代美術館蔵 撮影者:米田太三郎

 

(読売新聞事業局美術展ナビ編集班)

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