「『刀』―刀剣を愛でる―」展(香雪美術館)朝日新聞創業者の村山龍平が集めた日本刀の輝き

朝日新聞社の創業者・村山龍平(1850~1933)が集めた古美術コレクションから、刀剣をテーマにした「『刀』―刀剣を愛でる―」展が11月3日まで香雪美術館(神戸市東灘区)で開かれている。
昨年、公益財団法人香雪美術館の理事長を務めた故・村山美知子氏(1920~2020)から、村山家所蔵のコレクションが同法人に一括で寄贈された。香雪美術館では、これらの受贈作品を今年度、テーマごとに紹介するシリーズ展を開催し、その第3弾が9月4日から始まった「刀」展だ。
茶道具で知られる村山コレクション。甲冑などの武具の一部として展示はされていたが、「刀」というテーマでまとまって展示されるのは、実はこれが初めてと、香雪美術館の郷司泰仁学芸員は話す。

村山龍平は、伊勢国 田丸(三重県)の武士の家に生まれ、大阪に移り、実業家として成功した。古美術を集め出したのも、刀剣からだった。刀剣コレクションは約800本にのぼったが、基本的に「1刀工に1つ」(郷司学芸員)で、日本刀を幅広く網羅するように集めていたという。

そうした中で、村山があえて「複数」持っていた刀も注目される。例えば、桑名(三重県)の名刀「村正」だ。出身の三重県でつくられた刀は複数集めており、出身地への思いが見られるという。

特にこの村正は、近年行われた村正がテーマの展覧会などでも紹介されておらず、貴重な鑑賞の機会となる。

月曜休館、11月3日(水・祝)まで。詳しくは香雪美術館のHPで。
(読売新聞デジタルコンテンツ部 岡本公樹)
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