【プレビュー】初の原画展「『鬼滅の刃』吾峠呼世晴原画展」が 森アーツセンターギャラリーで10月26日に開幕

漫画『鬼滅の刃』の初となる原画展「『鬼滅の刃』吾峠呼世晴原画展」が10月26日に東京・六本木の森アーツセンターギャラリーで開幕する。作者・吾峠呼世晴氏による貴重な直筆原画が見られるだけでなく、さまざまな仕掛けで来場者を楽しませてくれそうな本展。ここでは、その展示内容をひと足早くチェックする。
『鬼滅の刃』吾峠呼世晴原画展 |
---|
会期:2021年10月26日(火)〜12月12日(日)休館日:会期中無休 |
会場:森アーツセンターギャラリー(東京・六本木) |
開館時間:午前10時〜午後8時(最終入場は午後7時30分まで) |
入館料:一般/学生 2000円、中学生/高校生 1500円、小学生1000円 ※全日日時指定制 |
東京メトロ日比谷線・六本木駅1C出口から徒歩3分、都営地下鉄・六本木駅3出口から徒歩6分など |
詳しくは公式ホームページ(https://kimetsuten.com/)へ |

もはや説明不要!? 空前の大ヒット漫画『鬼滅の刃』とは
少年週刊ジャンプに連載されていた吾峠呼世晴氏による漫画『鬼滅の刃』。少年漫画に欠かせない善と悪のバトルに加え、家族の絆や仲間同士の友情を深く描いた作品は単行本の累計発行部数が1億5千万部を超えるなど、まさに国民的漫画と呼ぶにふさわしい名作になった。
漫画は昨年の春に完結を迎えたが、アニメの方は2019年に放送されたテレビシリーズの第1部「竈門炭治郎 立志編」のヒットに続き、その続きを描いた映画『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が日本歴代興行収入トップとなる400億円越えを記録。さらに今年12月からはテレビシリーズの第2期「遊郭編」の放送が決まっており、“鬼滅”のブームはますます加速している。
すでに説明は不要という方が多いかもしれないが、はじめに『鬼滅の刃』のあらすじを簡単に紹介しよう。
『鬼滅の刃』は大正時代の日本を舞台に「鬼殺隊」という少年たちと人間を喰う鬼たちとの戦いを描いた物語である。炭焼き職人の家に生まれた主人公の竈門炭治郎は、病で父親を失った後、母と5人の弟・妹とともに山奥の家で慎ましく暮らしていた。そんなある日、街へ炭を売りに出て、家に戻った炭治郎を悲劇が襲う。家族が鬼に襲われ、殺されていたのだ。唯一かろうじて息があった妹の禰󠄀豆子を背負い、雪が降りしきる中、助けを求めて再び街を目指す炭治郎。しかし、鬼の血を浴びた禰󠄀豆子が突如“鬼化”して炭治郎を襲う。
そんな中、二人の前に現れたのは鬼斬りの集団・鬼殺隊の隊員であり、その中でも指折りの実力を持つ9名の剣士「柱」の一人である冨岡義勇だった。「妹を殺さないでください…」と懇願する炭治郎と対峙した冨岡は、鬼でありながら炭治郎を守ろうとする禰󠄀豆子にそれまでの鬼と違うものを感じて生かすこととする。そして冨岡の案内により炭治郎は鬼殺隊員を目指すことになり、そこからすべての戦いが始まる。
炭治郎、禰󠄀豆子、善逸、伊之助たちの貴重な直筆原画が見られる!

『鬼滅の刃』といえば、個性豊かで愛くるしいキャラクター造形だけでなく、禰󠄀豆子を守ろうとする炭治郎に冨岡が言う「生殺与奪の権を他人に握らせるな!」や、炎柱の煉獄杏寿郎から炭治郎が受け継ぐ「心を燃やせ」など、心を打つ名ゼリフも大きな魅力だ。
本展では作者・吾峠呼世晴による第1話から最終話までの直筆原稿に加え、本展のために製作された数々の立体造形物も展示される。“鬼滅”の世界観が満載の展覧会は、絵だけでなく数々の名言もかみしめる機会になるだろう。
場内は序章、特別章、終章を含めて全8章による構成となっている。まず導入となる「【序章】 煌 〜不滅への旅立ち〜」では、炭治郎と禰󠄀豆子の等身大フィギュアが来場者を迎えてくれる。また、コミックス全巻の表紙を拡大パネルで展示。ここは写真撮影OKなので炭治郎たちや表紙に描かれた人気キャラと一緒に記念写真を撮ろう。

「【壱ノ章】絆 〜兄と妹、そして仲間たち〜」は、竈門兄妹と仲間たちの名場面からセレクションされた展示。心優しくまっすぐな炭治郎の家族や仲間を思う気持ちは本作の感動を呼ぶポイントのひとつだけに感動は間違いなし。また、我妻善逸、嘴平伊之助ら鬼殺隊の仲間たちも登場。“推しキャラ”たちの展示に、きっと誰しもテンションが上がるはず。

「【弍ノ章】鬼 〜人の果て、悲しみの果て〜」は、物語の敵役である鬼の中でもトップクラスの実力を誇る「上弦の鬼」と、すべての鬼を統べる鬼舞辻無惨の原画を中心とした展示だ。異形の力と再生する体を持ち、全集中の呼吸と鍛え抜いた剣技で戦う鬼殺隊にとって一筋縄ではいかない強敵の鬼たち。美しくも無慈悲な“無惨様”、そして醜い鬼たちから放たれる恐ろしい言葉の数々からは、きっと作中の背筋の凍るような恐怖を思い出すに違いない。

「【特別章】無限城顕現 」は、鬼殺隊と鬼たちの最終決戦の舞台となる無限城を再現。どんな仕組みなのかは明かされていないので、ぜひ会場で体験を。
「【参ノ章】柱 〜絶対なるその呼吸〜」は、冨岡をはじめとした9名の柱に関する原画のコーナーだ。蟲柱の胡蝶しのぶ、音柱の宇髄天元など、柱といえばそれぞれが強力な技の持ち主。この空間では、それらの剣技が乱れ飛ぶ特別な仕組みも。

「【肆ノ章】繋 〜全てを懸けて」は、鬼殺隊以外の炭治郎たちを支える人々の原画が中心の構成。そして「【伍ノ章】刻〜千年の夜明け〜」では、漫画史に残るであろう鬼殺隊と鬼舞辻の壮絶な決戦をテーマとした展示が見られ、ラストの「【終章】継〜幾星霜を越えて〜」へ続く。
展覧会記念グッズもチェック!
本展では展覧会オリジナルグッズも豊富。注目のひとつは、吾峠呼世晴が新たに書き下ろした「ウリ坊シリーズ」だ。うりじろう、うりこ、うりのすけなど、人気キャラとウリ坊(猪の子ども)を組み合わせたイラストは抜群の愛らしさ。その他、Tシャツ、トートバッグ、さらには物語のキーアイテムを模した「愈史郎の血鬼術付箋」など、ファンの心をくすぐるアイテムがいっぱい!




『鬼滅の刃』吾峠呼世晴原画展」は10月26日(火)から12月12日(日)まで東京・六本木の森アーツセンターギャラリーで開催。来年7月14日からは大阪での巡回開催も予定されている。漫画やアニメのファンだけでなく、日本を揺り動かしたクリエイターの仕事を目の当たりにできるアートファンにも注目の原画展だ。今から“魂を燃やして”開幕を待とう。(ライター 鈴木翔)