永青文庫がクラウドファンディング 春草の「黒き猫」などを修復 10月8日まで

大名の細川家に伝わる貴重な文化財を数多く所蔵する永青文庫(東京・目白台)が、初のクラウドファンディングに挑戦中だ。永青文庫は1950年、細川家第十六代の護立公によって設立。国宝8件、重要文化財34件を含む9万点もの文化財を所蔵し、展覧会を通じて一般に公開している。企業などからの支援を受けない独立採算の美術館だけに、コロナ禍による休館は大きな打撃となり、所蔵品の修理費用の確保が困難に。そこで「文化財修理プロジェクト」としてクラウドファンディングによる支援を求めることになった。寄付は下記のサイトへアクセス、クレジットカードまたは銀行振り込みで支払う。

https://readyfor.jp/projects/eiseibunko_01

第1弾のプロジェクトは7月30日(金)にスタートし、募集期間は10月8日(金)の23時まで。第1目標金額は1000万円。今回の修理対象は近代日本画で、菱田春草の代表作のひとつで、人気の高い「黒き猫」(重要文化財)、昨年重要文化財に指定された松岡映丘の「室君」、横山大観、下村観山、竹内栖鳳という3人の巨匠が合作した「観音猿鶴」の3作品の修復を優先的に実施する予定。明治43年(1910)の作である「黒き猫」は描かれてから100年以上が経過して裏打ちに浮きが見られ、絵具が剥落する恐れがあるといい、仕立て直しを行う必要がある。

重要文化財 松岡映丘「室君」大正5年(1916)
横山大観、下村観山、竹内栖鳳「観音猿鶴」明治43年(1910)頃

9月28日午後現在、寄付総額は950万円と第1目標金額の達成は目前に迫っている。同文庫の小松大秀館長は、支援を求めるメッセージで「文化財を守り、管理保存していくためには多くの困難が伴い、また莫大な経費も必要。長い時間をかけて培われた稀有なコレクションを、未来に伝えていくため、ご協力をよろしくお願いします」と呼び掛けている。橋本麻里副館長も「これから先の未来にわたって、ご自身を含む多くの人たちが、いつでも・誰にでも開かれた場で文化財を享受できる環境を守るために、少しだけお力をお貸しいただけないでしょうか」と訴えている。

(読売新聞美術展ナビ編集班)

その後、目標金額が達成されたことが9月29日に永青文庫のツイッターで報告されました。

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