【開幕】ポーラ美術館コレクション展「甘美なるフランス」モネ、ルノワールから マティス、シャガールまで Bunkamura

19世紀後半から20世紀にかけての印象派からエコール・ド・パリの時代にフランスで活躍した画家28名の作品74点などを展示したポーラ美術館(箱根)コレクション展「甘美なるフランス」がBunkamuraザ・ミュージアムで始まった。
ポーラ美術館コレクション展「甘美なるフランス」 モネ、ルノワールから マティス、シャガールまで |
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会場:Bunkamura ザ・ミュージアム |
会期:9月18日(土)~11月23日(火・祝) |
開館時間:10時~18時(毎週金、土曜日は20時まで)*10月以降の予定については決定次第展覧会公式HPに掲載 |
休館日:9月28日(火)、10月26日(火) |
アクセス:JR線「渋谷駅」ハチ公口より徒歩7分(東京都渋谷区道玄坂2-24-1) |
入館料:一般1700円、大学・高校生1000円、中・小学生700円 |
問い合わせ先:050-5541-8600(ハローダイヤル) |
会期中のすべての土日祝および11月15日(月)~11月23日(火・祝)は【オンラインによる入場日時予約】が必要。詳しくは公式サイトへ。 |
19世紀後半のフランス。産業の機械化と市民社会の成立によって急速に近代化が進む中、印象派の画家たちは日常の普通の生活や娯楽などあるがままのフランスを画題とした。
「甘美なるフランス」(ラ・ドゥース・フランス)という言葉は、11世紀後半の最初のフランス文化高潮期から使われていたが、印象派の画家たちの眼を通して描かれた世界こそが新たな「甘美なるフランス」だった。


印象派の画家たちは、絵具を混ぜずにそのまま画面上に配置して明るい色彩を表現する「筆触分割」という技法を開発した。ポール・セザンヌやフィンセント・ファン・ゴッホなど、後に「ポスト印象派」と呼ばれる画家たちは、このような印象派の試みを起点としながらも、統一した様式を共有することなく、それぞれが個々の理想とする表現を求めて新しい芸術を切り拓いていった。


20世紀初頭、モーリス・ド・ヴラマンクやアンリ・マティス、ラウル・デュフィが強烈な色彩の対比を生む作品を制作して「フォーヴィスム」と呼ばれる。これに対して、ジョルジュ・ブラックとパブロ・ピカソは造形に新しさを求め、対象の形を幾何学的に分析し、単純化した切子面状の形と陰影を用いた「キュビスム」を確立した。

「芸術の都」パリには、イタリアから移住したアメデオ・モディリアーニ、ブルガリアのジュール・パスキン、ポーランドのキスリング、ロシア(現ベラルーシ)のマルク・シャガールなど多くの新しい才能が集い、独自性を発揮した。「エコールド・パリ」(パリ派)と呼ばれた彼らの作品は自由で開放的な当時のパリの空気を体現していた。


本展では、パリジェンヌの美しさを生み出した豪華な化粧セットやガレ、ラリックなどが手掛けたガラスの香水瓶など19~20世紀の化粧道具も絵画の中に散りばめられるように展示されている。

(読売新聞美術展ナビ編集班)
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