【プレビュー】 視覚と聴覚が交差 「クリスチャン・マークレー トランスレーティング[翻訳する]」展 東京都現代美術館で11月20日開幕

クリスチャン・マークレー(1955-)はアートと音楽の交差する地点から作品を発表、革新的な活動を続けてきた。日本では初の大規模な展覧会。
クリスチャン・マークレー トランスレーティング[翻訳する] |
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東京都現代美術館 企画展示室1F(東京・江東区) |
会期 11月20日(土)~2月23日(水・祝) |
開館時間 午前10時~午後6時(展示室入場は午後5時30分まで) |
休館日 月曜日(1月10日、2月21日は開館)、12月28日~1月1日、1月11日 |
地下鉄半蔵門線清澄白河駅B2番出口より徒歩9分 大江戸線同駅A3番出口より徒歩13分 |
入館料 一般1800円ほか 小学生以下無料 |
詳しくは同館ホームページへ |

Collection of the artist © Christian Marclay. Courtesy Paula Cooper Gallery, New York.
視覚と聴覚の交差というテーマは古今、多くの芸術家を惹きつけて来た。マークレーはレコードやCD、コミック、映画、写真など幅広い素材を再利用しつつパフォーマンス、コラージュ、インスタレーション、ペインティング、写真、ビデオなど多くの作品を生み出し、現代美術と音楽をつなぐ最も人気があり影響力を持つ作家とみなされてきた。1955年にカリフォルニア州で生まれ、スイス・ジュネーブで育ち、ボストンの美術学校やニューヨークの大学で学んだ。長年マンハッタンで活動してきたが近年はロンドンで暮らす。


© Christian Marclay & by mfc-michèle didier. Courtesy Paula Cooper Gallery, New York.
マークレーがよく用いるサンプリングという技法は、既存のイメージや音を抽出して再利用するもの。ある領域から別の領域への、言語に代わる「翻訳」行為と言える。展覧会では、身の回りにあるイメージを音楽を生み出すための楽譜として演奏家にゆだねた「グラフィック・スコア(図案楽譜)」や、英語に翻訳された日本のマンガから流用したオノマトペ〈擬音〉に着目した作品などが紹介される。

150枚からなるポートフォリオより
© Christian Marclay. Courtesy Paula Cooper Gallery, New York.

ふたつのレコードカバー、木綿糸 54.6㎝×33㎝
Photo: Steven Probert © Christian Marclay. Courtesy Paula Cooper Gallery, New York.

多色刷り木版画 220.1 cm × 121.5㎝
© Christian Marclay. Courtesy Paula Cooper Gallery, New York.
「音を見る/イメージを聴く」という未知の体験へと導くインスタレーション。映画のシーンをサンプリングし四つの連続する画面に構成したマークレーの最高傑作のひとつ《ビデオ・カルテット》(2002年)、マンガから切り取ったオノマトペの文字がそれぞれの言葉の音響的特性を示すような動きのついたアニメーションとなる《サラウンド・サウンズ》(2014-2015年)などを展示する。(以上、展覧会リリースを参考に)

© Christian Marclay. Courtesy White Cube, London, and Paula Cooper Gallery, New York.
同時開催
「ユージーン・スタジオ 新しい海 EUGENE STUDIO After the rainbow」(企画展)
同時期開催
2021年11月13日(土)-2022年2月23日(水・祝)
「Viva Video! 久保田成子展」(企画展)
「MOTコレクション」(コレクション展)
(読売新聞事業局美術展ナビ編集班・秋山公哉)