《窓辺で手紙を読む女》の修復完了 来年1月東京でお披露目 「ドレスデン国立古典絵画館所蔵 フェルメールと17世紀オランダ絵画展」

ヨハネス・フェルメール 《窓辺で手紙を読む女》(修復後) 1657-59年頃 ドレスデン国立古典絵画館 © Gemäldegalerie Alte Meister, Staatliche Kunstsammlungen Dresden, Photo by Wolfgang Kreische

ドイツのドレスデン国立古典絵画館は9月9日、記者会見を開き、所蔵するヨハネス・フェルメールの初期の傑作《窓辺で手紙を読む女》の修復が完了したことを発表、報道陣に初めて公開した。この作品は東京都美術館(上野)で来年1月22日(土)に開幕する「ドレスデン国立古典絵画館所蔵 フェルメールと17世紀オランダ絵画展」で展示される。修復後の同作が所蔵館以外で公開されるのは同展が初めて。詳しくは公式サイトへ。

ヨハネス・フェルメール 《窓辺で手紙を読む女》(修復後) 1657-59年頃 ドレスデン国立古典絵画館
© Gemäldegalerie Alte Meister, Staatliche Kunstsammlungen Dresden, Photo by Wolfgang Kreische

2017年に始まったこの修復プロジェクトでは、背景に描かれた弓を持つキューピッドの画中画を隠す大規模な上塗りが、フェルメールの没後に何者かによって行われていたことが判明。その上塗り層を除去する修復も行われた。ドレスデン国立古典絵画館のシュテファン・コーヤ館長は「背景のキューピッドの修復によって、画家の真の意図が見えてきます。単なる恋愛という文脈を超えた、真実の愛というものついての根源的なメッセージです」と述べている。

ヨハネス・フェルメール 《窓辺で手紙を読む女》(修復前) 1657-59年頃 ドレスデン国立古典絵画館
© Gemäldegalerie Alte Meister, Staatliche Kunstsammlungen Dresden, Photo by Herbert Boswank (2015)

この作品は、窓から差し込む光の表現、室内で手紙を読む女性像など、フェルメールが自身のスタイルを確立したといわれる初期の傑作。1979年のX線調査でキューピッドが描かれた画中画が塗りつぶされていることが判明。今回の調査が行われるまでは、フェルメール自身が消したと考えられてきた。2019年5月には、キューピッドの画中画が部分的に現れた修復途中の作品が、記者発表で公開されている。来年1月開幕のフェルメールと17世紀オランダ絵画展」ではこの修復過程も映像などで紹介する

修復作業の様子 © SKD, photo: Kreische/Boswank
修復作業の様子 © SKD, photo: Kreische/Boswank

また同展ではドレスデン国立古典絵画館が所蔵するレンブラント、メツー、ファン・ライスダールなど、17世紀オランダ絵画の黄金期を彩る名作を併せて約70点紹介する。

レンブラント・ファン・レイン 《若きサスキアの肖像》 1633年 ドレスデン国立古典絵画館
© Gemäldegalerie Alte Meister, Staatliche Kunstsammlungen Dresden, Photo by Elke Estel/Hans-Peter Klut
ハブリエル・メツー 《レースを編む女》 1661-64年頃 ドレスデン国立古典絵画館
© Gemäldegalerie Alte Meister, Staatliche Kunstsammlungen Dresden, Photo by Elke Estel/Hans-Peter Klut
ヤーコプ・ファン・ライスダール 《城山の前の滝》 1665-70年頃 ドレスデン国立古典絵画館 © Gemäldegalerie Alte Meister, Staatliche Kunstsammlungen Dresden, Photo by Elke Estel

西洋の画家の中でも屈指の人気を誇るフェルメール。修復の過程や改変の経緯など話題も豊富で、興味津々の展覧会になりそうだ。

【開催概要】

展覧会名:ドレスデン国立古典絵画館所蔵 フェルメールと17世紀オランダ絵画展

会場:東京都美術館 企画展示室(東京都台東区上野公園)

会期:2022年1月22日(土)~4月3日(日)

問い合わせ:050-5541-8600(ハローダイヤル)

展覧会公式サイト

【巡回予定】

【北海道展】北海道立近代美術館 2022年4月~6月※調整中

【大阪展】大阪市立美術館 2022年7月16日(土)~9月25日(日)

【宮城展】会場、会期とも調整中

(読売新聞美術展ナビ編集班 岡部匡志)

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