【プレビュー】「最後の浮世絵師」の未紹介・未公開の貴重な作品も 「収蔵作品による小林清親展【増補】-サプリメントー」 練馬区立美術館で11月23日から

《九段坂五月夜》大判錦絵 明治13年(1880)

 

収蔵作品による小林清親展【増補】-サプリメント-
会場:練馬区立美術館
会期:2021年11月23日(火・祝)~2022年1月30日(日)
休館日:月曜休館、ただし1月10日は開館し、1月11日を休館に。年末年始は12月29日から1月3日まで休館
アクセス:東京都練馬区貫井、西武池袋線中村橋駅から徒歩3分
入館料:無料
※最新情報はホームページ(https://www.neribun.or.jp/museum/)で確認を。

「最後の浮世絵師」といわれる小林清親(18471915)は、明治期を代表する浮世絵師だ。明治81875)年のデビュー後、まるで水彩画のような東京名所シリーズで人気を博した。淡く明るい色調に光や影、天候や時間をも表現した風景画は「光線画」と名付けられた。「團團珍聞」に入社後は「ポンチ絵」と呼ばれる風刺画も手がけ、日清戦争時には戦争画なども描いた。弟子には井上安治、田口米作らの画家に加え、詩人の金子光晴や趣味人として知られる三田平凡寺らがいる。浮世絵の有終の美を飾るとともに、明治生まれの芸術家たちに大きな影響を与えた。

《写生帖》紙、水彩 全9冊 明治11~大正2年(1878~1913)頃

練馬区立美術館では2015年に没後100年を記念して、「小林清親展 文明開化の光と影を見つめて」を開催。それを縁として、清親の作品や資料など約300点が寄託された。その中には、「小林清親写生帖」としてしられるスケッチブック、未公開の下絵や肉筆画なども含まれている。今回の「【増補】-サプリメント―」は、そういった未紹介・未公開の貴重な作品を一挙に公開するものだ。

《上州榛名神前杈鉾岩》紙、水彩 明治20~30年(1887~1897)頃
《アラビアンナイト》紙、水彩 制作年不詳

公開されるのは、「光線画」の《九段坂五月夜》をはじめ、初公開となる水彩画《上州榛名神前杈鉾岩》、やはり水彩で描かれた《アラビアンナイト》など。肉筆の掛け軸なども展示されている。都会的でカラフル、時に幻想的なタッチで、まるで西洋画のような世界をも木版画で表現した清親。文明開化の後、新たな表現を模索し続けた明治の浮世絵師たちの代表として、その世界を堪能してみてはいかが。

《自画像》紙本淡彩 明治末年頃

(読売新聞美術展ナビ編集班)

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