【プレビュー】 北斎を超える? 「河鍋暁斎 -躍動する絵本」展 太田記念美術館(東京・原宿)で10月29日開幕

幕末から明治にかけて浮世絵や日本画家として活躍した河鍋暁斎(1831-89)。近年、人気が高まり全国で展覧会が開かれているが、「絵本」というジャンルはほとんど注目されてこなかった。人物や動物、妖怪など躍動感あふれる筆遣いで描かれた絵本から、「画鬼」と称された暁斎の神髄に迫る。
「河鍋暁斎 -躍動する絵本」展 |
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太田記念美術館(東京・原宿) |
会期:2021年10月29日(金)~12月19日(日) |
前 期 10月29日(金)~11月23日(火・祝) 後 期 11月27日(土)~12月19日(日) 前後期で全点展示替え |
開館時間 午前10時30分~午後5時30分(入館は午後5時まで) |
休館日 月曜日、11月24-26日 |
開館時間 午前10時30分~午後5時30分(入館は午後5時まで) |
入館料 一般800円ほか 中学生以下無料 |
JR原宿駅から徒歩約5分 地下鉄明治神宮前駅から徒歩3分 |
詳しくは同美術館ホームページへ |


暁斎の絵本の魅力は人や動物、妖怪たちがまるで踊っているかのように、生き生きと描かれていること。その躍動感あふれる筆遣いは葛飾北斎の『北斎漫画』にも劣らないという。絵本は冊子状で展示しづらいこともあり、これまであまり紹介されて来なかった。今回は『暁斎漫画』、『暁斎鈍画』、『暁斎酔画』、『暁斎百鬼画談』など暁斎の絵本の代表作を全ページ展示(前後期ですべて展示替え)、総ページは420ページを超える。


暁斎の絵本はA5サイズ(21×14.8センチ)以下。『ちくさの宝』のような見開きで9.5×13センチという極小の絵本もある。また、暁斎は骸骨を描くことが好きで、絵本の中にもしばしば登場する。医学書のような正確な骨格描写だけでなく、背伸びをしたり踊ったり、躍動感のあるユーモラスなポーズを取っているところが暁斎らしい。



(読売新聞事業局美術展ナビ編集班・秋山公哉)