「関東大震災映像デジタルアーカイブ」を開設 貴重な当時の映像を公開 国立映画アーカイブ、国立情報学研究所

『關東大震大火實況』1923年 明治初期に開業した横浜グランドホテルの焼跡


国立映画アーカイブ(東京・京橋)は、国立情報学研究所(東京・一ツ橋)との共同で9月1日、ウェブサイト「関東大震災映像デジタルアーカイブ」を開設した。

https://kantodaishinsai.filmarchives.jp/

ウェブサイトのトップ画面

1923(大正12)年9月1日に発生し、10万5千人もの死者・行方不明者を出した関東大震災。このサイトでは、発生から100年にあたる2年後の2023年9月1日までに、同アーカイブが所蔵する関東大震災に関する全ての映画フィルムの公開を目指す。

第1弾として今回は、当時の文部省が監修し、全国規模での普及を図った長編記録映『關東大震大火實況』の全編を公開した。64分、サイレントの白黒映画で、白井茂キャメラマンの「決死的撮影」により惨状を記録したことで、関東大震災に関する映画の中でも特に知られる1本。東京や横浜の被災状況や、官民挙げての救護・治安維持活動、早くも始まった復興への歩みに至るまでをフィルムに収めている。

『關東大震大火實況』1923年 火災延焼中の神田方面を望む
『關東大震大火實況』1923年 広瀬中佐像で有名な万世橋駅(神田)の焼跡
『關東大震大火實況』1923年 落下した海辺橋(深川)の復旧工事が進む
『關東大震大火實況』1923年 上野公園で行われた罹災児童の救護活動
『關東大震大火實況』1923年 日比谷公園野外音楽堂での野外学校

サイト上では、撮影場所、シーン(写されている事象)で分類された「クリップ」単位での検索、閲覧が可能。撮影場所では千代田、中央、港、文京、台東、墨田、江東、渋谷、横浜などを特定。またシーンとしては「火災」「焼失」「倒潰・損壊」「避難」「救助・救護・救援」「応急仮設住宅」「復旧」「復興」「皇族」に分類した。また撮影場所や時間の特定にあたり典拠とした資料の情報も掲載。研究や学習に活用しやすいサイトの構成になっている。

サイト利用時のイメージ

今後、『関東大震災実況』(日活、1923年)、『大正拾弐年九月一日 猛火と屍の東京を踏みて』(ハヤカワ藝術映画製作所、1923年)、『帝都大震災 大正十二年九月一日』[別題:大震災と三井](製作会社不詳、1923年)など約20作品を公開する予定。

国立映画アーカイブでは、このサイトの目的について「未曽有の巨大災害についての知識と関心をより高めてもらい、記録映画へのリテラシーを養うこと」と位置づけている。その上で「映像ならでは発見や驚きを実感してもらえるよう、今後も工夫を加えながら、成長するサイトとして育てていく」としている。

(読売新聞美術展ナビ編集班 岡部匡志)

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