【背景画の世界】アニメ界のレジェンド・山本二三の「BEST展」が故郷の長崎県美術館で開催中、高畑勲・宮崎駿・細田守・新海誠らの作品を支えた背景美術

「未来少年コナン」「天空の城ラピュタ」「火垂るの墓」「もののけ姫」「時をかける少女」「天気の子」―そうそうたるこれらのアニメ作品群の名をあげたときに、架空の風景がリアルに描かれた背景画を思い浮かべる人も多いだろう。


長崎県の五島列島(五島市)出身のアニメーション美術監督・背景画家の山本二三こそが、高畑勲・宮崎駿・細田守・新海誠の監督作を、背景画で支えた背景美術のスペシャリストで、アニメ界のレジェンドの一人である。とくに湧き立つような質感の雲は「二三雲」とも呼ばれている。

山本二三が「故郷・五島列島の魅力を伝えたい」と、2010年よりライフワークとして取り組んできた絵画シリーズ「五島百景」100点が完成したことを記念して、地元の長崎県美術館(長崎市出島町)で、8月1日から9月5日まで、「山本二三展 the BEST」が開かれている。

「五島百景」全100点を一堂に展示するほか、「もののけ姫」「火垂るの墓」「時をかける少女」「天気の子」などの代表作、新たに発見された初公開作なども展示している。

8月20日には、入場者1万人を記録した。高畑勲、宮崎駿、細田守、新海誠らの「世界」を支えた背景画の魅力が堪能できる展覧会だ。




*8月23日から、感染症拡大防止のため、開館時間が午前10時から午後6時(最終入場は午後5時30分)に短縮されている。
(読売新聞デジタルコンテンツ部 岡本公樹)

山本二三(やまもとにぞう)
1953 年、長崎県五島市出身。1978 年、宮崎駿監督の初演出テレビシリーズ『未来少年コナン』で初めて美術監督を務め、以降、数々のアニメ映画に美術監督として携わる。2018 年夏、五島市に山本二三美術館が開館。美術スタジオ「絵映舎」代表/五島市ふるさと大使/東京アニメーションカレッジ専門学校講師。